
ルーク・ジェラム Museum of the Moon
東京・下北沢の街を舞台とし、「月」をテーマに行うアートフェスティバル「ムーンアートナイト下北沢2026」が、9月18日から10月4日まで開催される。
2022年の初開催から今年で5回目を迎える本イベントでは、アート、音楽、演劇、飲食、ワークショップなど、約100の企画と表現を展開する。主催はスタートバーン株式会社、小田急電鉄株式会社、下北沢商店連合会。今回は、国内外5組のアーティストによる作品を下北線路街の屋外に展示。来場者は、街を巡りながら「月」をテーマにした作品群と出会い、アートが日常に溶け込む屋外展示ならではの体験を楽しむことができる。開幕に先立つ内覧会で、主催者が本祭の魅力を語った。

「ムーンアートナイト下北沢」は2022年の初開催から反響を呼び、来場者数は年々増加。昨年は50万人が訪れる規模のイベントに成長した。5年目の節目を迎えた今回について、施井泰平(スタートバーン株式会社 代表)は「今回はいままででいちばん大変で、いちばん楽しみな回になっている」と振り返る。これまでは月をテーマにした作品を世界中から探し、まだ知られていないアーティストを発掘する「作品ベース」のキュレーションだったが、今回は「素晴らしいアーティストを軸に、その人に月をテーマにした新作を作ってもらう」方式に変えたという。

いっぽう、数十年前に地上を走っていた小田急線が街を分断し、地下化でようやく物理的につながったという歴史を経て、五十嵐理(小田急電鉄株式会社 まちづくり事業本部 エリア事業創造部 課長)は「これからは人と人、人と街、人と文化のつながりを目指したい」と語る。下北沢の街で新たな取り組みに挑戦したい人たちのための場を作り、その活躍を支援していくことを、今後も続けていきたいという。
街のつながりを語るのは、事業者だけではない。地元の商店連合会もまた、下北沢ならではの視点でこのイベントをとらえている。長沼洋一郎(下北沢商店連合会 会長)は、下北沢らしさを「それぞれが持つ個性や、好きなこと、没頭することを受け入れる街」だと表現する。今回は商店街が独自に行う展示もムーンアートナイトの一部として溶け込んでおり、「自由に発想を展開できる街だからこそ、どこからどこまでがムーンアートナイトなのかを意識しながら見てもらえると、このイベントの成り立ちも感じてもらえるのでは」と話す。

それぞれが個性を大事にし、自由に好きなことをやれる街でありながら、どこかで共通点を持つ人々が出会う場でもある下北沢。5組の新作が、この街をどう彩るのか。実際に街を歩いて確かめてみたい。