全国の美術館で、2023年度の展覧会予定が続々発表されている。今回紹介するのは東京都現代美術館。
まずは現在好評開催中の「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」(2022年12月21日~23年5月28日)。パリ、ロンドン、上海、NY、ドーハで成功を収めた大回顧展である同展はTokyo Art Beatでもレポート記事を公開している。
この期間中には「さばかれえぬ私へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展」(3月18日〜6月18日)も開催。東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が実施する中堅アーティストを対象とした現代美術の賞「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」の展覧会で、今回は志賀理江子と竹内公太が参加する。こちらの志賀へのインタビュー記事もチェックしたい。
7月から始まるのが「デイヴィッド・ホックニー展」(7月15日~11月5日)。現代でもっとも革新的な画家といわれるホックニーの、日本では27年ぶりとなる大規模個展では、初期の代表作から、ロックダウン中に描いた全長90メートルにも及ぶ新作まで100点以上が登場。
同展と同時期には子どもや現代美術のビギナーにも向けた企画「あ、共感とかじゃなくて。」(7月15日~11月5日)も開催。アーティストによる新作インスタレーションなどをゆったりとした雰囲気のなかで展示し、「共感」する楽しさと危うさ、そして多様なものを多様なまま受け入れる現代美術のあり方を紹介するという。
独創的なアートブックやZINE(自主制作出版物)を制作する国内外の出版社、ギャラリー、アーティストら出展者が、それぞれの印刷物の魅力を来場者に伝える「TOKYO ART BOOK FAIR 2023」(11月23日~26日)も、もちろん開催。一つの国や地域の出版文化に焦点を当てる企画「Guest Country」では、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークをフィーチャーする。
若手を中心としたアーティストたちや近年のアートの動向を紹介する「MOTアニュアル 2023」(12月2日〜2024年3月3日)では、近年盛り上がるNFTや、AI(人工知能)、ロボティクスや生命科学への興味を反映して「生成」される作品、その双方を考える作品展を開催。デジタルとアナログの二項対立ではなく、テクノロジーを通してアイデアにかたちを与える試みを、メタバースへの展開も含めて紹介する。
2023年度のラストを飾るのは「豊嶋康子展」(12月9日~2024年3月10日)。学校教育、美術、経済といった様々な社会システムへの関心を通して、社会と個人の関係、自己の在り様を問い続けている豊嶋康子の美術館初個展だ。
これらに加え、多彩なテーマでコレクションを紹介する常設企画「MOTコレクション」もいくつかの企画を同時開催する。