公開日:2022年8月25日

皇室ゆかりの文化財を収蔵する三の丸尚蔵館はこれからどうなる? 令和5年10月より独立行政法人に移管。収蔵品の地方展開も積極的に推進か?

進行中の新棟建設工事は、2023年秋に第Ⅰ期棟が開館。全館開館は25年を予定している

三の丸尚蔵館 新棟イメージ図(Ⅰ期棟+Ⅱ期棟) 大手門側から見たイメージ 「三の丸尚蔵館の今後の管理・運営の基本的在り方について」参考資料より(https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/93755701_03.pdf)

宮内庁から国立文化財機構に管理・運営を移管

皇室から国への美術品類の寄贈を契機とし、1993年に開館した三の丸尚蔵館。2018年に行われた有識者懇談会において、収蔵品の国内外への公開、調査研究と保存管理の充実を図る観点から、展示・収蔵スペースの確保や運営体制の強化などを図るべきとの提言がなされ、19年からは新施設の建設工事のための休館が続いている。この工事期間に合わせて、21年からは毎年度4か所以上での展覧会開催が目指され、「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」(東京藝術大学大学美術館、2022)など、国内外美術館・博物館での展示・公開が進んでいる。

そんな同館だが、22年8月23日、宮内庁から独立行政法人国立文化財機構へと管理・運営の役割が移管されることが発表された。移管の時期は、建設中の第Ⅰ期棟が開館予定である23年秋にあわせ、同年の10月1日となる。25年完成予定の第Ⅱ期棟は、宮内庁の所管で工事を進め、完成後に国立文化財機構へ追加出資される予定だ。

25年の全館開館以降の地方展開については、開館後の管理・運営状況を踏まえて、適切に行っていくとのこと。収蔵品の国宝や重要文化財への指定は、その価値をわかりやすく示していくため、引き続き文化庁が担う。

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