公開日:2023年6月11日

中銀カプセルタワービル、カプセルの1つをサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)が収蔵へ

2022年に解体されたビルの各カプセル。3月より順次譲渡先への搬送が行われているが、うちひとつをサンフランシスコ近代美術館が収蔵することがわかった

中銀カプセルタワービル 画像提供:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト

銀座8丁目のランドマークとして国内外の建築ファンに愛された、黒川紀章設計のメタボリズム建築「中銀カプセルタワービル」。昨年4月に惜しまれながら解体され、23カプセル(部屋)がどのように保管されていくのか関心を集めていた。

そしてこのたび、カプセルの1つをサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)が収蔵することを『ロサンゼルス・タイムズ』誌が報じた。これは黒川本人が所有していたカプセル(A1302)だという。

ビルの解体後には、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトが発足し、23カプセルを取り外して国内外の美術館や商業施設に展示、また宿泊施設などに再活用する「カプセル新陳代謝プロジェクト」(Capsule Metabolism Project)がスタート。株式会社黒川紀章建築都市設計事務所監修の下にすべてのカプセルは修復・再生され、3月より順次譲渡先への搬送が行われてきた。

黒川紀章が所有していたカプセル(A1302)の内観 画像提供:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
黒川紀章が所有していたカプセル(A1302)の内観 画像提供:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト

日本では松竹が東劇ビルの隣接地に新設予定の「SHUTL(シャトル)」、淀川製鋼所はカプセルを移動可能なトレーラーカプセルへと再生するなどユニークな活用が目立っていた。

なおTokyo Art Beatでは生前、中銀カプセルタワービルについて語る黒川紀章の動画も公開中。カプセルは25年ごとに交換するように設計していたことや材質へのこだわりなど、本人の口から設計秘話が明かされている。

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