公開日:2023年4月29日

中銀カプセルタワービルは解体後それぞれの場所に。松竹の新スペース「SHUTL(シャトル)」や移動式カプセルとして再生

2022年に解体されたビルの各カプセルは修復・再生され、3月より順次譲渡先への搬送が行われている

カプセルの様子

2022年、多くの人々に惜しまれながら解体された、黒川紀章設計のメタボリズム建築「中銀カプセルタワービル」。

このたび、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトは、23カプセルを取り外して国内外の美術館や商業施設に展示、また宿泊施設などに再活用する「カプセル新陳代謝プロジェクト」(Capsule Metabolism Project)をスタート。株式会社黒川紀章建築都市設計事務所監修の下にすべてのカプセルは修復再生され、3月より順次譲渡先への搬送が行われている。

中銀カプセルタワービル 画像提供:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト

カプセルの譲渡先のひとつとして明らかになったのは、松竹が東劇ビルの隣接地に新設予定の「SHUTL(シャトル)」。伝統と現代の新たな接続方法を生み出す実験場として、伝統文化と現代カルチャーの融合、日本文化そのものの新陳代謝を促進することを目的とする「SHUTL」では、新設する建物内に2基のカプセルを収納し、それぞれのカプセルで美術・工芸作品の企画展示・販売や、イベントの企画を予定しているという。

SHUTL完成イメージ図(※内容については変更となる可能性があります)

また株式会社淀川製鋼所はカプセルを移動可能なトレーラーカプセルへと再生。同社のデザインブランド「YODOKO+(ヨドコウプラス)」の シンボルとして活用していくほか、4月から6月に各地で開催されるエクステリアの展示会で披露される。

トレーラーカプセルとして再生された中銀カプセル 撮影:山田新治郎

ひとつは松竹の新スペース、ひとつは移動式スペースと、予想外の姿で再活用されるカプセルたち。そのユニークな転生の続報も追っていきたい。

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