東京・六本木にある国立新美術館で2026年に開催される企画展のスケジュールが発表された。2026年度は、「多様な美術表現」と「女性のクリエーション」をテーマに据え、15、16世紀から近代、現代までの美術、ファッションやマンガなど多彩なジャンルの5つの企画展を予定している。
1990年代に「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼ばれたアーティストや、同時代のアーティストたちにフォーカスする展覧会。イギリス・ロンドンのテート美術館のコレクションを中心に、大衆文化や、個人的な物語、社会構造の変化などをテーマとし、多様な手法を用いて制作された作品群が紹介される。ダミアン・ハースト、ジュリアン・オピー、トレイシー・エミン、ヴォルフガング・ティルマンスら約60名の作家による約100点の作品を通して、90年代の英国美術の創作の軌跡を検証する。詳細はこちらのニュース記事から。

森英恵の生誕100年を記念した回顧展。1950年代にキャリアを開始した森は、幼い子供を抱えながら映画衣装の制作で注目を集めてデザイナーとして活躍し、戦後日本で新しい女性像を体現する存在となった。ニューヨーク、パリでも作品を発表し、日本人として初めて海外で本格的に自身のブランドを確立。日本の布地や職人技を生かして、美意識と技術力を発信し続けた。本展ではそんな森の活動の全貌を、約400点の作品を通じて紹介する。

本展は、伝統的な仕立てと遊び心あふれる色使いで知られるイギリスのデザイナー、ポール・スミスが、パリの国立ピカソ美術館が所蔵するパブロ・ピカソ作品からインスピレーションを得て会場のレイアウトを考案するという企画展。スミスがデザインする洋服や小物のような色鮮やかさと楽しさに満ちた会場構成のなかで、ピカソの初期から晩年までの作品群を緩やかな時系列に従って展観する。
イタリアで花開き、15、16世紀にヨーロッパ各地で隆盛したルネサンス美術。本展では、その本質的特徴を、ルーヴル美術館の所蔵品から選りすぐられた約50点の作品を通して浮き彫りにすることを試みる。《美しきフェロニエール》の通称で知られるレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作《女性の肖像》が初来日するほか、絵画、彫刻、版画、工芸など、ルネサンス期の重要な作家たちの作品が紹介される。

少女漫画界を代表する巨匠、萩尾望都・山岸凉子・大和和紀の画業をたどる3人展。いずれも1960年代後半にデビューした3人は、1970年代には「少女漫画黄金期」の立役者として活躍するようになり、現在に至るまで精力的に作品を発表し続けている。本展では、表現の多様性を探求する歴史とともに歩んできた“時代の証言者”とも言える3人のこれまでの創作活動を、代表作の原画や貴重な資料を通して振り返るとともに、それぞれの活動の軌跡、創作の源泉に迫る。国立新美術館の開館20周年を記念して開催される。
