公開日:2025年10月1日

国立新美術館、2026年の企画展スケジュールが公開。YBA展、ルーヴル美術館展、萩尾望都×山岸凉子×大和和紀の3人展など

5つの企画展が発表。2026年度は、「多様な美術表現」と「女性のクリエーション」をテーマに据える

東京・六本木にある国立新美術館で2026年に開催される企画展のスケジュールが発表された。2026年度は、「多様な美術表現」と「女性のクリエーション」をテーマに据え、15、16世紀から近代、現代までの美術、ファッションやマンガなど多彩なジャンルの5つの企画展を予定している。

テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート/2026年2月11日〜5月11日

1990年代に「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼ばれたアーティストや、同時代のアーティストたちにフォーカスする展覧会。イギリス・ロンドンのテート美術館のコレクションを中心に、大衆文化や、個人的な物語、社会構造の変化などをテーマとし、多様な手法を用いて制作された作品群が紹介される。ダミアン・ハースト、ジュリアン・オピー、トレイシー・エミン、ヴォルフガング・ティルマンスら約60名の作家による約100点の作品を通して、90年代の英国美術の創作の軌跡を検証する。詳細はこちらのニュース記事から。

ヴォルフガング・ティルマンス ザ・コック(キス) 2002 テート美術館蔵 © Wolfgang Tillmans, courtesy Maureen Paley, London; Galerie Buchholz, Berlin/Cologne; David Zwirner, New York/Hong Kong

生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ/2026年4月15日〜7月6日

森英恵の生誕100年を記念した回顧展。1950年代にキャリアを開始した森は、幼い子供を抱えながら映画衣装の制作で注目を集めてデザイナーとして活躍し、戦後日本で新しい女性像を体現する存在となった。ニューヨーク、パリでも作品を発表し、日本人として初めて海外で本格的に自身のブランドを確立。日本の布地や職人技を生かして、美意識と技術力を発信し続けた。本展ではそんな森の活動の全貌を、約400点の作品を通じて紹介する。

森英恵 イヴニングアンサンブル(ジャンプスーツ、カフタン「菊のパジャマドレス」) 1966 ハナヱ・モリ 島根県立石見美術館 撮影: 小川真輝

ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ/2026年6月10日〜9月21日

本展は、伝統的な仕立てと遊び心あふれる色使いで知られるイギリスのデザイナー、ポール・スミスが、パリの国立ピカソ美術館が所蔵するパブロ・ピカソ作品からインスピレーションを得て会場のレイアウトを考案するという企画展。スミスがデザインする洋服や小物のような色鮮やかさと楽しさに満ちた会場構成のなかで、ピカソの初期から晩年までの作品群を緩やかな時系列に従って展観する。

ルーヴル美術館展 ルネサンス/2026年9月9日〜12月13日

イタリアで花開き、15、16世紀にヨーロッパ各地で隆盛したルネサンス美術。本展では、その本質的特徴を、ルーヴル美術館の所蔵品から選りすぐられた約50点の作品を通して浮き彫りにすることを試みる。《美しきフェロニエール》の通称で知られるレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作《女性の肖像》が初来日するほか、絵画、彫刻、版画、工芸など、ルネサンス期の重要な作家たちの作品が紹介される。

レオナルド・ダ・ヴィンチ 女性の肖像 誤って付された別称《美しきフェロニエール》 1490–1497頃 パリ、ルーヴル美術館 © GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Michel Urtado

少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展/2026年10月28日〜2027年2月8日

少女漫画界を代表する巨匠、萩尾望都・山岸凉子・大和和紀の画業をたどる3人展。いずれも1960年代後半にデビューした3人は、1970年代には「少女漫画黄金期」の立役者として活躍するようになり、現在に至るまで精力的に作品を発表し続けている。本展では、表現の多様性を探求する歴史とともに歩んできた“時代の証言者”とも言える3人のこれまでの創作活動を、代表作の原画や貴重な資料を通して振り返るとともに、それぞれの活動の軌跡、創作の源泉に迫る。国立新美術館の開館20周年を記念して開催される。

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