円山応挙 重要文化財 遊虎図襖(16面の内) 天明7(1787) 香川・金刀比羅宮
東京の三井記念美術館で「開館20周年特別展 円山応挙―革新者から巨匠へ」が 9月26日~11月24日に開催される。監修は山下裕二(明治学院大学教授)。

18世紀の京都画壇を席巻し、多くの弟子を抱えた巨匠として円山四条派を形成した円山応挙。本展はそんな応挙が「革新者」から「巨匠」になっていくさまを、重要な作品を通して紹介する。
監修者の山下裕二のステートメントによると、応挙は従来より江戸時代を代表する画家として確固たる地位を築いているものの、近年は伊藤若冲、曽我蕭白といった「奇想の画家」(美術史家・辻惟雄による定義)の人気に押され気味だという。「しかし、応挙こそが、18世紀京都画壇の革新者でした。写生に基づく応挙の絵は、当時の鑑賞者にとって、それまで見たこともないヴァーチャル・リアリティーのように、眼前に迫ってきたのです」「応挙の絵は、21世紀の私たちから見れば、「ふつうの絵」のように見えるかもしれません。しかし、18世紀の人たちにとっては、それまで見たこともない『視覚を再現してくれる絵』として受けとめられたのです」(ステートメントより)とその重要性を強調。本展ではまさに、「眼前に迫ってくる」応挙の画力を体験できる絶好の機会となっている。
