
パウル・クレー 赤と白の丸屋根 1914 ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館蔵 Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen, Düsseldorf
パウル・クレーの展覧会「ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館 パウル・クレー あいだの世界」が、2027年9月11日〜12月26日に国立国際美術館で開催される。
20世紀を代表するドイツ人画家パウル・クレー(1879〜1940)。スイス・ベルンに生まれたクレーは、音楽家の家庭に育ち、線や色彩、記号を自由に組み合わせながら、詩的で幻想的な世界を描いた。表現主義やキュビスム、抽象芸術などを吸収して多彩な画風を展開。1920年代にはバウハウスで教鞭を執っている。素朴な形態に自然や生命、宇宙への深い洞察を込めた作品は、いまなお多くの人々を惹きつけている。

本展は、ドイツ・デュッセルドルフの近現代美術館であるノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館(通称K20/K21)との共同企画。ナチス政権下で「退廃芸術」との評価を受け、デュッセルドルフ美術アカデミーの職を追われたクレーだが、戦後に作家への評価を改めた州政府は、1960年に88点のクレー作品を購入し、同美術館を設立した。129点まで拡大した同館のクレー・コレクションは国際的に高く評価されており、美術館のアイデンティティの核となっている。


「あいだの世界」と題された今回の展覧会では、同館が所蔵する代表作を中心に、全点クレーの作品のみとなる約120点を紹介。人間や植物などの具象的で親しみやすいモチーフと、抽象的で謎めいた画面構成との組み合わせの妙、絵画と音楽、線描と色彩といった、相異なるふたつの世界の「あいだ」に潜むクレー作品の魅力を探る。さらに戦時下で「退廃芸術家」のそしりを受けるも、戦後に再評価されたクレー作品の社会における受容の変化にも注目。クレーの作品が開示する、どちらともつかない「あいだの世界」を、「これから何かが始まる」可能性に満ちた予兆としてとらえることを展覧会の目的に据えている。
なお本展は、2028年1月19日〜4月9日に東京都美術館に巡回する。

