公開日:2026年10月28日

ジェニー・ホルツァー、ケイト・ブランシェット、ダニエル・リベスキンドら「第37回高松宮殿下記念世界文化賞」受賞者が語る。不確かな時代における芸術や創造性の力

世界の優れた芸術家に贈られる「高松宮殿下記念世界文化賞」。2026年の受賞作家らが合同記者会見に集う

「第37回高松宮殿下記念世界文化賞」記者会見より、左から、アンディ・ゴールズワージー、ジェニー・ホルツァー、ケイト・ブランシェット、ダニエル・リベスキンド、ステーファン・フォルシュベリ(ヘルベルト・ブロムシュテット代理)

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絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の5部門で顕彰

世界の優れた芸術家に贈られる「高松宮殿下記念世界文化賞」の第37回受賞者が、オークラ東京で合同記者会見を行った。

公益財団法人日本美術協会が主催する「高松宮殿下記念世界文化賞」は、文化芸術の発展に貢献した芸術家の功績を称えることを目的に1988年に創設された。毎年、世界の芸術家を対象に、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の5部門で受賞者が選ばれ、感謝状、メダル、賞金1500万円がそれぞれに授与される。

第37回となる2026年は、ジェニー・ホルツァー(絵画部門、アメリカ)、アンディ・ゴールズワージー(彫刻部門、イギリス)、ダニエル・リベスキンド(建築部門、アメリカ)、 ヘルベルト・ブロムシュテット(音楽部門、スウェーデン) 、ケイト・ブランシェット(演劇・映像部門、オーストラリア)の5名が受賞した。

あわせて、第29回若手芸術家奨励制度の対象団体には、フランス各地を拠点に、芸術を通じて子供の創造性や社会参加を育むフランスの芸術教育団体、ラ・スルス・ガルースト協会が選ばれた。

左から、アンディ・ゴールズワージー、ジェニー・ホルツァー、ケイト・ブランシェット、ダニエル・リベスキンド、ステーファン・フォルシュベリ(ヘルベルト・ブロムシュテット代理)

受賞者の選考は、国際顧問のランベルト・ディーニ(イタリア、元首相)、クリストファー・パッテン(イギリス、前オックスフォード大学名誉総長)、クラウス=ディーター・レーマン(ドイツ、元ゲーテ・インスティトゥート総裁)、ジャン=ピエール・ラファラン(フランス、元首相)、ヒラリー・ロダム・クリントン(アメリカ、元国務長官)を中心に作成された推薦リストに基づき、日本の選考委員会が受賞候補者を選び、日本美術協会理事会で最終決定するかたちで行われている。

会見には、ホルツァー、ゴールズワージー、リベスキンド、ブランシェット、そして、健康上の理由から欠席したブロムシュテットの代理人でスウェーデン王立音楽アカデミー会長ステーファン・フォルシュベリが出席。さらに日本美術協会会長の日枝久をはじめ、国際顧問の面々や、名誉顧問であるデイヴィッド・ロックフェラー・ジュニア、日本の国際顧問に就任した岸田文雄元内閣総理大臣らが登壇した。

「第37回高松宮殿下記念世界文化賞」記者会見より、受賞作家や国際顧問ら登壇者

主催者を代表して冒頭に挨拶した日枝久は、今回までの受賞者は36の国と地域から190名を数えるとし、各地で紛争が絶えず、対立と混迷の度を増すなかで、「私どもはこうした時代にあって芸術の力が世界の人々の心を癒し、元気づけ、明るい未来へ一歩でも踏み出す機会になればと祈念している」と挨拶。

同賞の国際顧問で、アメリカ元国務長官ヒラリー・ロダム・クリントンも、混乱と困難に満ちた時代だからこそ、受賞者のような芸術家たちの作品や言葉が、これまで以上に必要とされている、としたうえで、「自由や民主主義の価値、人間の尊厳の未来について深く懸念している私たちにとって、受賞者の皆さんがここにいてくださることは、ひとつの慰めになると同時に、私たちを分断するのではなく、結びつける価値観のために、これからも立ち上がり続けようという励みにもなる」と語った。

受賞者のスピーチでも、混沌を極める現代における芸術や創造性の役割や力に言及した言葉が聞かれた。各作家のスピーチの一部を抜粋して紹介する。

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