
水上文=著者
河出書房新社 2,200円+税 9月18日発売

批評家・水上文による待望のデビュー作。宇佐見りん、綿矢りさ、李琴峰、高瀬隼子、金井美恵子、松浦理英子ら現代作家の作品を、クィア/フェミニズムの視点から読み解く。身体、性、家族、アイデンティティ、ケア、暴力といったテーマを手がかりに、文学に刻まれた社会の規範や権力構造を問い直す作品論を収録。ブックガイドや批評、エッセイも交えながら、文学を通して世界を見つめ、言葉にするための思考をひらく一冊。
デイヴィッド・バルザ―=著者、牧尾晴喜=訳
草思社 2,600円+税 9月8日発売

Amazonでの買い物やマッチングアプリのスワイプから、SNSの「イイね」まで、私たちの日常に浸透した「キュレーション」。本書は、古代ローマの「世話をする者」を語源とするキュレーターの歴史から、近代の美術館、スター・キュレーターの登場、そしてSNSやアルゴリズムによる「キュレーターなきキュレーション」まで、その変遷をたどる。何かを選び、見せ方を工夫することで新たな価値を生み出す「キュレーション」の力を、AI時代のいま改めて問い直す。
CFCL=著者
リッツォーリ社 リミテッド版 12,000円 +税、スタンダード版 オープン価格 9月8日発売

CFCL初のブランドブック。2020年のブランド設立からVOL.11(Spring/Summer 2025)までのシーズンヴィジュアルやコレクション、「Silhouette」や「Motion in Emotion」などのプロジェクトを、200点超の作品とともに紹介する。ファッション評論家アンジェロ・フラッカヴェントによる序文を収録し、ブランドの哲学やもの作りにも迫る。表紙は、CFCLを象徴するPOTTERYを用いたスタンダード版と、Knit-wareを表現したリミテッド版の2種類で展開。リミテッド版は直営店・オンラインストア、スタンダード版は一般書店で販売される。
きりとりめでる、久後香純、中村公彦=著者
アートダイバー 2,500円+税 9月30日発売

フェミニズム、ジェンダー、トランスナショナルという3つの視点から、1970〜80年代の写真をめぐる批評の歴史を読み直す一冊。中村公彦、久後香純、きりとりめでるの3人が、トミエ・アライや『anan』、富山妙子、富岡多惠子、宮迫千鶴らを手がかりに、写真と旅、ジェンダー、人種、権力の関係を考察する。書き下ろし論考に加え、上野千鶴子、富岡多惠子、富山妙子らによる過去の批評や、ルーシー・R・リパードの論考の本邦初訳も収録。埋もれていた言葉や仕事を現在の視点から掘り起こし、写真文化と美術批評に新たな視座を開く。
マウロ・カルボーネ、グラツィアーノ・リングァ=著者、近藤耕人、西村和泉=訳
水声社 3,500円+税 9月25日発売

洞窟壁画やビザンティンのイコン、ルネサンスの遠近法から、スマートフォンまで、人間の目を引きつけてきた「スクリーン」の歴史と機能をたどる。スクリーンをたんなる映像媒体ではなく、身体の人工器官としてとらえ、映像と言語、監視と露出、透明性のイデオロギーなどを人類史的なスケールから考察する。パンデミック以後のスクリーン環境にも目を向けながら、「われわれはスクリーンである」という視点から、その未来と倫理を問い直す。
クリストファー・ハミルトン=著者、田畑暁生=訳
青土社 2,600円+税 9月26日発売

精神の病いを哲学へと昇華させたニーチェ、人間性の極限を見つめたヴェルナー・ヘルツォーク、性的かつ非性的な世界を描いたピエール・ボナール、高所綱渡りに人生を賭けたフィリップ・プティ。既存の価値観から逸脱した生を歩んだ人物たちの作品や思索を手がかりに、自己から解放されながら同時に自己へと立ち返る、とらえがたい「恍惚」の経験とは何かを考察する。
カミル・ミフレフスキ=著者、八重樫文=監修、安藤拓生=訳
BNN 3,500円+税 10月22日

プロのデザイナーに必要なのは、ツールや手法よりも、態度・姿勢・信念を意味する「アティチュード」。本書は、アップルやIDEOなどへのエスノグラフィー調査をもとに、デザイナーたちが共有する思考と行動の核を言語化した一冊。不確実性と曖昧性を受け入れること、深い共感をもって関わること、五感の力を受け入れることなど、5つの「デザイン態度」を紹介する。生成AIによって環境が変化するいま、デザイナーに求められる姿勢と創造性を改めて考える。
木村覚=著者
フィルムアート社 3,600円+税 9月26日発売

ルネサンスから現代まで、ダンスの近現代史をたどりながら、文化、思想、経済、技術、心理学、人類学など多様な視点からその意味を読み解く。人類はダンスに何を賭けてきたのか、ダンスとはいかなるコミュニケーションなのか。宮廷舞踊やバレエの「優美」から、モダンダンス、土方巽やピナ・バウシュらによる新たな表現まで、ダンスが時代とともにどう変化してきたのかを考察する。