公開日:2026年6月29日

現代美術家・束芋が小説『国宝』の世界を描く。挿絵500点を銀座のポーラ ミュージアム アネックスで展示

吉田修一の小説『国宝』のために制作した挿絵を公開。会期は7月17日〜8月30日

「束芋画 国宝」キーヴィジュアル

現代美術家の束芋による「束芋画 国宝」展が、銀座のポーラ ミュージアム アネックスにて開催される。会期は7月17日から8月30日まで。

束芋は、浮世絵を思わせる色使いと独特のリズムを持つ手描きアニメーションを空間に構成するインスタレーションで知られる。日常風景のなかに現代社会の歪みや人間心理をシュールに描き出す作風で、1999年のデビュー以降、国際展に多数出展。2011年の「第54回ヴェネチア・ビエンナーレ」では日本館代表作家に選出された。近年は、自身の内側にある記憶や、身近な物質がまとう時間をテーマに制作を続けている。

束芋 国宝 #499~500 和紙に墨と顔彩 2016-26 Photo by Keizo Kioku

本展では、2017〜18年に朝日新聞で連載された吉田修一の小説『国宝』のために制作した挿絵全500点を、前後期に分けて展示する。連載当時、束芋はまず墨による線画を描き、その後ストーリーを読み込みながら場面ごとの感情や空気感を色彩として重ねていた。今回の展示にあたっては、入稿時にデータ上で合成していた色彩部分を、和紙に描かれた線画の上に改めて着彩を施し完成させた。それは、約10年前の線やイメージを手がかりに、当時の感覚を現在の身体で呼び起こしながら色を重ねるという、時間を超えた制作行為とも言える。

束芋 国宝 #166~169 和紙に墨と顔彩 2016-26 Photo by Keizo Kioku

前期は7月17日〜8月9日、後期は8月11日〜8月30日。入場は無料。文学と美術、記憶と身体が重なり合う本展の展開に注目したい。

束芋 国宝 #002 和紙に墨と顔彩 2016-26 Photo by Keizo Kioku

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