公開日:2023年1月27日

アートとの未知との遭遇から始まった、あるコレクターの歴史。「タグコレ 現代アートはわからんね」が角川武蔵野ミュージアムで2月から

出品作品には、会田誠、アンディ・ウォーホル、加藤泉、奈良美智、名和晃平、デイヴィッド・ホックニー、森村泰昌、トーマス・ルフなど名だたる作家たち

タグコレ 現代アートはわからんね

みんなのためのアートコレクション

ある日本人ビジネスマンが収集したタグチアートコレクションの作品を紹介する展覧会「タグコレ 現代アートはわからんね」が、角川武蔵野ミュージアムで開催される。会期は2023年2月4日から5月7日

「現代アートは気になるけれど、よくわからないなぁ……」という密かな悩みを持つアートファンやコレクターもじつは多いのでは? そんな人々が悩みを分かち合えるかもしれないのがこの展覧会。現代アートとまったく縁のなかった昭和のビジネスマン田口弘が、現代アートに出会い、引き込まれていったかを同氏の作品から辿っていく。

田名網敬一 Crayon Angel 1975 カラーアニメ 16ミリフィルム 2分55秒 タグチアートコレクション/タグチ現代芸術基金 © Keiichi Tanaami Courtesy of NANZUKA
さわひらき absent 2018 シングルチャンネルHDビデオ、4チャンネル・サウンド 4分50秒 タグチアートコレクション © HIRAKI SAWA

「この作品、好き!」という気持ちから始まったタグチコレクション(タグコレ)。作品を購入する際に助言などしてくれるアドバイザーとの二人三脚で、次に見るべき作品や作家が見えてきたり、多くの人たちが欲しがる作品のためにお金があっても買えないジレンマを抱いたり。同展では、そんなプロセスを経て広がっていったタグコレが、メイン会場である1階グランドギャラリー以外の様々なエリアで展示されている。

また、5つに分けられたチャプターでは、貧困や差別、暴力、ジェンダーなど社会の様々な課題をテーマとし、時代に呼応して常に変化し続けるアートの動向、権力者や富裕層が自分の楽しみや自己顕示のために作品を集めたのとは異なり、みんなのためにあるというタグコレのあり方、そして父から子へと受け継がれていくコレクションの現在も紹介している。

潘逸舟 リクライニング・スタチューズ 2015 ビデオ 9分38秒 タグチアートコレクション/タグチ現代芸術基金 © Ishu Han Courtesy of ANOMALY
ラキブ・ショウ ポピーの花の聖セバスティアヌス 2011–2012 タグチアートコレクション/タグチ現代芸術基金 © Raqib Shaw. All rights reserved, DACS & JASPAR E4993
ザネレ・ムホリ べスターⅠ、マヨット 2015 タグチアートコレクション/タグチ現代芸術基金 © Zanele Muholi Courtesy of the artist, Yancey Richardson, New York, and Stevenson, Cape Town/Johannesburg

コレクターの個性は十人十色。そして収集された作品には、それぞれのコレクターのカラーが色濃く反映されるもの。会田誠、アンディ・ウォーホル、加藤泉、小泉明郎、さわひらき、田名網敬一、奈良美智、名和晃平、西野達、キース・ヘリング、デイヴィッド・ホックニー、ライアン・マクギネス、宮島達男、ヴィック・ムニーズ、オスカー・ムリーリョ、森村泰昌、トーマス・ルフなどなど。豊かなタグコレを通して、アートの世界の変化やその幅広さを感じてみては?

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