公開日:2023年2月2日

フィンランド・グラスアートやアール・デコなど工芸と建築を楽しむ。東京都庭園美術館が2023年度の企画展情報を発表

建築公開など、人気企画ももちろん開催

ブリエル・ゲブレキアン 水と光の庭(ジョゼフ・マラスト『1925年の庭園』) 1925 個人蔵

2023年の注目はフィンランドグラスと庭園芸術

全国の美術館で、2023年度の展覧会予定が続々発表されている。今回紹介するのは東京都庭園美術館

1933年に竣工した旧朝香宮邸を特別公開する「建物公開2023 邸宅の記憶」(4月1日~6月4日)は、年の一度開催される人気の企画。宮邸時代の家具や調度を用いた邸宅空間の再現展示に加え、かつてこの空間を往来した人々が残した写真や映像資料、工芸品、調度品、衣装などによって、宮家の暮らしの一端を紹介する。

「フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン」(6月24日~9月3日)は、フィンランドの歴史とともに発展し、1930年代に台頭したグラスアートを紹介する。黄金期に活躍したアーティストたちを中心に、自然の中で培われた造形やガラスが持つ表現力への探求心など、作品に込められた想いに迫る。

続いては「庭園芸術とアール・デコ」(9月23日~12月10日)。1925年にパリで開催されたアール・デコ博覧会では、「庭園芸術」が独立した出品分類として設けられ、各パヴィリオンの周囲や街路には多種多様な庭園がつくられた。建築家・装飾美術家たちにとって重要なテーマの一つであった「庭」の「装飾」を、第1次・第2次世界大戦期のフランスを中心とした近代庭園を巡る動向、絵画や工芸、写真、デザインなどの作品から概観する。

年明け2月からは「旧朝香宮邸を読み解くA to Z」(2024年2月17日~5月12日)を開催。旧朝香宮邸の建築に関する専門用語や室内装飾を、AからZのキーワードに沿って発見的に読み解くことで、歴史・美術史的価値を理解しながら鑑賞できる展覧会だ。

展覧会とあわせて壮麗な建築や美しい庭園を見られるのが同美術館の魅力。今年も季節の移り変わりとともに訪ねたい。

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