
左から、ウン・ジェピル、ク・ドンヒ、キム・ドヒ、パク・ミンハ、三野新
トーキョーアーツアンドスペース本郷(TOKAS本郷)で、「TOKAS Project Vol. 9『在ることの再演』」が10月3日からスタートした。会期は11月8日まで。ウン・ジェピル、キム・ドヒ、ク・ドンヒ、パク・ミンハ、三野新の日韓5名のアーティストが、自身の身体経験をもとに現実や生のありようを展示空間に立ち上げる作品を発表している。
「在ること」とは、「再演」とは何か? 担当学芸員の吉田紗和子に作品や展覧会について話を聞いた。
同時代の表現を東京から創造・発信するアートセンター・TOKASは、展覧会などを行なうTOKAS本郷と、滞在制作やリサーチ活動を行うTOKASレジデンシー(墨田区)の2拠点を持ち、国内外のアーティストのサポートを行っている。
本展は国際的な交流を促進し、多文化的な視点で多様なテーマについて思考する展覧会プログラム「TOKAS Project」の9回目にあたる。TOKASでは2006年より、ソウルの機関と相互にアーティストを派遣してきた。その交流が20周年を迎えたことを記念し、出展作家は過去にTOKASのレジデンス・プログラムに参加した日韓の作家を中心に構成されている。
「この展覧会では、私が実際にソウルのレジデンシーに足を運び、そこで出会ったアーティストも紹介しています。彼女ら、彼らの制作プロセスや作品の共通点を考察していくうちに、それぞれが自身の身体経験を軸に、現実の世界や人間という存在、“いまここに在る”とはどういうことなのかを見つめながら制作している点に着目しました」(吉田)

「再演」は、演劇やパフォーミングアーツで主に使われる言葉だ。
「『再現』ではなく、『再演』という言葉を選んだのは、『再現』はある事象をそのままイメージとして表象するのに対し、本展では、それぞれのアーティストが観察した現実の世界や生のありようを、自身の身体をもってとらえ直し、新たな解釈を伴って再びこの場に動的に現前化していく、という実践を示したかったからです。その行為を『再演』としてとらえています」(吉田)