なかつくに公園を望む、建設中の月詠堂 CHAPELLE LUNETTE ©なかつくにリュケイオン
広島県庄原市のなかつくに公園に今秋、新たなミュージアムがグランドオープンする。なかつくに公園は、芸術家の岡﨑乾二郎がデザインに携わり、灰塚ダムの建設を契機に、地域文化と環境の再生・創造をめざして育まれてきた場所。月詠堂はその営みを受け継ぎ、岡﨑自身の内装監修のもと、芸術を軸に地域の環境や文化、教育、医療などを結び直す拠点となる。
月詠堂は、公園の東端、田総の里に接する位置に建設される。建物は月を思わせる半円形のヴォールト(かまぼこ型の屋根)を特徴としており、東側に設けたのは山々や月の姿を切り取る半月形の「ルネット窓」だ。月神・ツクヨミにちなむその建築は、「チャペル・ルネット(Chapelle Lunette)」の別名でも呼ばれる。
展示では、岡﨑乾二郎の作品を中心に、なかつくに公園の環境文化計画から広がって展開してきた文化的な活動の軌跡も紹介する。作品を鑑賞するだけでなく、芸術・医療・教育・生態学を横断する研究や学び、記録、交流を通して、暮らしと知を結び直していく場を目指す。
開館後は、展覧会に加えて、演奏会や講演会、ワークショップなどの開催を予定。教育や医療と芸術を結びつけながら、世代を問わず学び、考え、実践する機会を作っていく。
開館を記念して、11月21日、22日の2日間には「発見の技術としての芸術とリハビリテーション」をテーマとするプログラム「治癒と智慧のおとずれ」が開催される。本プログラムは、芸術とリハビリテーションを、ともに身体と世界を知り直すための実践としてとらえ直す試み。1日目は、なかつくに公園を巡るツアーに加え、講演、研究発表、鼎談を実施。2日目には、芸術家とセラピストが同じ場で手を動かし、それぞれの技法を持ち寄って試す実践ワークショップを行う予定となっている。イベントの詳細は公式サイトで確認を。