Vaundy 撮影:日吉"JP"純平
*「特集:YBA 90s英国美術は、いま何を語るのか」──YBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)と、それを生んだ90年代という時代を今日の視点で振り返る、Tokyo Art Beatの特集シリーズ。展覧会「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」の開催にあわせて、90年代という特異点を、アートにとどまらない現代の多様な視点で見つめ直す。
東京・六本木の国立新美術館で5月11日まで開催されている「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」は、テート美術館のコレクションを中心に、1990年代後半から2000年代初頭にかけてのイギリス美術を約100点の作品を通してたどる展覧会だ。
本展の中心となるのは、大胆でときに物議を醸す手法によって既存の美術の枠組みを打ち破り、世界のアートシーンに衝撃を与えた「YBA(Young British Artists、ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)」と呼ばれるアーティストたち。そんな展覧会の公式テーマソング「シンギュラリティ」を、2000年生まれのVaundyが書き下ろした。
出品作品の多くが制作された当時はまだ生まれてもいなかったVaundyだが、テート・モダンでのライブパフォーマンスやアビー・ロード・スタジオでのレコーディングなど、ロンドンとの縁は深い。約30年前に起きたアート界の革新を、いま彼はどのように受け止めるのか。クリエイターとして感じたYBA作家への共感や、「シンギュラリティ」の制作秘話、多大な影響を受けているというイギリス文化への想い、さらにはテート・モダンを訪れた際のエピソードまで。男性ソロアーティスト史上最年少で4大都市ドームツアーを全公演完売させるなど、いまもっとも勢いのあるミュージシャンのひとりが「YBA & BEYOND」展を起点に語る。【Tokyo Art Beat】
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──展覧会をご覧になった感想を聞かせてください。気になったアーティスト、作品は?
コーネリア・パーカー《コールド・ダーク・マター:爆発と分解イメージ》(1991)は好きでした。いくつか作品をイギリスで見たような気もするのですが、この作品は印象に残っています。作品の内部を見るとほとんど日本では馴染みのないものばかりで構成されているから、日本人には逆に嘘のように見えるというか、映画のセットのようにも感じるんですよ。だけど実際に人が生身で使っているようなものがある。日本との死生観の違いが出ているようにも感じました。この作品が日本にあるのは不思議な感じがするな。


あとは、自転車の作品(エリザベス・ライト《B.S.A.社製のレーサータイプ自転車「ツアー・オブ・ブリテン」を135%のサイズに拡大したもの》[1996-97]、実際の自転車を解体し、拡大レプリカを制作した作品)もとても好きでした。見たときに「ああ、こういう意味か」となるようにもできているのが面白いです。展示作品のなかには、どういう意味なんだろうと感じる作品もたくさんあって、そういった作品もわけわからないんだけど、明らかにすごく強い意志があるんですよね。「これがやりたいから、とりあえず形式はこれでやろうぜ」という衝動でもの作りをしている感じが、すごくいいなと思いました。
