現在の伊勢市出身の彫刻家・橋本平八(1897~1935)の15年ぶりとなる回顧展。橋本は、上京後に若くして注目を集め、29歳で帰京した後も《石に就て》などの意欲作を次々に発表したが、1935年に38歳の生涯を閉じた。周囲の豊かな自然に刺激を受け、古代彫刻や古今東西の哲学に学びながら洞察を重ねた作品の数々は、現在も多くの人々を惹きつけている。橋本の過去最大規模の個展となる本展では、代表作を含む約70点を展示。作品と資料から生涯をたどり、その創作世界に迫る。巡回の予定はなく、三重県立美術館のみでの開催となる。詳細はレポートをチェック。
会場:三重県立美術館
会期:8月2日〜10月13日
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戦後70年の2015年に企画された「マンガと戦争展」の“続編”であり、戦後80年の節目に向けて企画された“最新版”となる本展。沖縄と京都の巡回展として、様々な「戦争マンガ」を紹介する。今回は、近年のマンガやエンタメ作品において戦中だけでなく、占領期と重なる終戦直後を舞台とした作品がしばしば制作されていることを背景に、とくに沖縄戦を掘り下げる。会場では、戦争に関わる10のテーマを、X軸/Y軸で設定した4象限に対応した4つのマンガ作品で分析し、多様な「戦争マンガ」が存在することを示す。
会場:京都国際マンガミュージアム
会期:7月12日〜11月25日
ルイ・ヴィトン創業170周年と2025年日本国際博覧会(大阪 ・関西万博)を記念して開催される展覧会。1854年の創業以来、ファッションの創造性を革新してきたメゾンの歩みとその精神の深層をたどる。美術史家兼キュレーターのフロランス ・ミュラーの協力のもと制作され、建築設計事務所OMAの重松象平が会場空間のデザインを担当。メゾンのコレクションから厳選された1000点を超えるアイテムや資料、アーカイヴなどを通して、メゾンの原点から最新のクリエーションまでを紹介する没入型展覧会となる。平野紫耀(Number_i)の特注トランクなど、メゾンのアンバサダーを務める俳優やセレブリティたちゆかりのアイテムも展示されている。展覧会レポートはこちら。
会場:大阪中之島美術館
会期:7月15日〜9月17日
1946年にイッタラのデザインコンペに優勝し、同社のデザイナーに起用されて以来、約40年にわたって第一線で活躍したタピオ・ヴィルカラ(1915〜85)。ガラス、磁器、銀食器、宝飾品、照明、家具、紙幣、グラフィック、空間など多岐にわたる対象のデザインに携わり、多様な素材に向き合いながら幾何学と自然を融合した洗練されたフォルムを生み出した。ヴィルカラの生誕110年と没後40年を記念して企画された日本初回顧展となる本展は、東京会場に続く巡回展。エスポー近代美術館、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団およびコレクション・カッコネンから厳選したプロダクトやオブジェ約300点を、その制作過程や背景を明かすドローイング(複写)や写真とともに展示。北欧モダンデザインの巨匠と称されるタピオ・ヴィルカラの魅力に迫る。東京会場のレポートはこちら。
会場:市立伊丹ミュージアム
会期:8月1日〜10月13日
本展は、仏教美術の優品を誇る奈良国立博物館と、30万点を超える考古資料・民族資料を有する天理大学附属天理参考館の初のコラボレーション展。世界中から集められた天理参考館の30万点におよぶ膨大のコレクションのなかから厳選された作品群と、奈良国立博物館所蔵の仏教美術作品を組み合わせ、6000年の人類の歴史を約220件の資料から紹介する。会場は「文明の交差する世界」「神々と摩訶不思議な世界」「追憶の20世紀」の3章で構成され、展示作品には天理参考館のみが所蔵する稀少な作品や初公開の資料も多数含まれる。
会場:奈良国立博物館
会期:7月26日〜9月23日