左から潘逸舟、チーム・チープロ(西本健吾、松本奈々子)、菅野歩美 撮影=有本怜生
5月26日から6月4日にかけ、YAU(有楽町アートアーバニズム)にとって初となるアーティスト招聘プログラムの過程を紹介するプレゼンテーションのイベントがYAU STUDIOおよび有楽町のまちなかで開催中だ。時間は12:00〜18:00。
アーティストはチーム・チープロ、菅野歩美、潘逸舟(ハン・イシュ)の3組で、それぞれがワーク・イン・プログレス(現在進行中)の公演と作品展示、トークを行う。この3組は、今年3月にはオープンスタジオでトークイベントも行った。
YAU STUDIOではこれまでにも様々なアーティストの作品を展示してきたが、YAUが注目するアーティストに有楽町で創作やリサーチを依頼し、その過程に伴走するアーティスト招聘プログラムはYAUにとって初めての試み。
今回のプレゼンテーションイベントでは、 チーム・チープロ は「《ブギウギ・S》のための9日間」、 菅野歩美は《中空のページェント》、潘逸舟は《マイ・アンダーグラウンド》を発表している。
松本奈々子と西本健吾によるパフォーマンス・ユニット、チーム・チープロは「hysteriaプロジェクト」(社会的に構築される「女性」の身体をまなざす欲望を転じ、踊りを創作するリサーチ・ダンスプロジェクト)の一環として、有楽町で制作を進める過程で生まれた《ブギウギ・S》のアイデアを育てていく。《ブギウギ・S》(「S」は北村サヨ、笠置シヅ子、数寄屋橋、Stomach、Superの頭文字)は、「肚(はら)」という想像上の器官=有機体を軸にした踊りで、イベント会期中、松本奈々子が有楽町のまちなかで《ブギウギ・S》を練習し、その記録をYAU STUDIOに蓄積するという。また、途中経過のショーイングとディスカッションも行われる。
土地にまつわる物語や伝説、怪談話などを映像インスタレーションで表現する菅野歩美は、有楽町という土地にまつわるオルタナティブなフォークロアを作るというコンセプトの《中空のページェント》を発表。社会と個の関係のなかで生じる疑問や戸惑いを、映像やインスタレーションなどあらゆるメディアを駆使して表現するアーティストの潘逸舟は自身が様々な都市を移動した記録をもとに地下鉄に着目した作品《マイ・アンダーグラウンド》を展開する。
すでに終了したイベントもあるが、チーム・チープロ 《ブギウギ・S》ショーイング+ディスカッションは6月2日(金) 18:00〜、6月4日(日) 12:00〜(各1時間半を予定、参加費無料、定員10名、要予約)で参加可能。
そのほかの展示は予約不要のため、会場を気軽に訪れてみてはいかがだろう。アーティストの作品が完成する前のリアルなワーク・イン・プログレスを見ることのできる貴重な機会となりそうだ。