
展覧会ロゴ「即興!」 デザイン:垂井美穂
メディア・テクノロジーを用いた新たな芸術表現の探求と実践を行うアートセンター、山口情報芸術センター[YCAM]は、大友良英+YCAM新作展「即興!」を開催する。会期は10月17日から2027年3月1日まで。大友良英は、フリージャズ、即興演奏、ノイズ音楽や映画音楽など幅広いジャンルを手がけ、表現の可能性を拡張し続ける音楽家。本展は、大友の創作の基軸であり、アンサンブルの根底にある「即興」をテーマに、大友とYCAM、そして多様なジャンルのアーティスト5名とのコラボレーションによる新作展だ。

本展に先駆け、大友良英と美術家・青山泰知、エンジニア・伊藤隆之との共作、サウンド・インスタレーション《without records》の先行展示が7月24日より行われる。ポータブル・レコードプレイヤー約100台を使用した本作は、2005年に大友が最初に手がけた展示作品だ。すべてのプレイヤーはレコードなしで独自の音を発するよう改造されており、自動演奏によるオーケストラのようなアンサンブルが生まれる。

10月17日からは新作が3点公開される。音楽家・坂本龍一へのトリビュート作品《DUO》は、AIなどの音響解析・再現技術を一切使わず、ギターとピアノに物理的な仕組みを施すことで、2010年代の坂本と大友の即興演奏の特徴を再現する。本人たちが不在のもと、永遠に演奏を生成し続ける作品だ。現代美術家・持田敦子とのインスタレーションでは、大空間に設置された無数のスピーカーから再生される膨大な音源と、持田の空間表現が呼応する。また、音楽家・Sachiko Mと大友のユニットFilamentによる野外のサウンド・インスタレーション《"filaments" in the Park》も公開される。

大友良英は本展開催に向けて次のようにコメントしている。
私の音楽にとって「即興」は根っこと言えるくらい大切なものですが、多くの創作にとって、もっと言ってしまえば、この先の社会にとっても「即興」はとても重要なもの、根本にあれば社会はより豊かになるもの、そう思うようになりました。前回の展示から18年の時を経て、私自身の出発点を見つめることになるであろう「即興」をテーマに、YCAMやさまざまな人たちとの新たなアンサンブルを始めたいと思います。(プレスリリースより一部抜粋)
136日間にわたって生成され続ける即興の音に、耳を傾けに行きたい。