公開日:2023年7月5日

第8回横浜トリエンナーレ(ヨコハマトリエンナーレ2023)がテーマと新たな2会場を発表。開催は2024年3月15日から約3ヶ月間

テーマは日本にゆかりの深い中国の小説家、魯迅の詩集『野草』(1927年刊行)に由来

イメージヴィジュアル。デザイナーの岡﨑真理子の発案により、横浜市民や市内の大学生など約200人の協力を得て集めた手書きの文字をもとに作られた

困難な時代の原因をたどり、希望を見出す

ミッションのひとつとして「現代アートの良質な入門編となること」を掲げてきた横浜トリエンナーレ。2024年3月15日~6月9日の約3ヶ月間にわたって行われる第8回横浜トリエンナーレ(ヨコハマトリエンナーレ2023)のテーマが「野草:いま、ここで生きてる(Wild Grass: Our Lives)」になると発表された。イメージヴィジュアルは岡﨑真理子が担当

アーティスティック・ディレクター。左から劉鼎(リウ・ディン)、盧迎華(キャロル・インホワ・ルー )

今回の横浜トリエンナーレは、北京を拠点に活躍するアーティスティック・ディレクター(AD)の劉鼎(リウ・ディン)と盧迎華(キャロル・インホワ・ルー ) が展覧会を企画し、多くの方が楽しめるさまざまなプログラムを展開する。

「野草」とは、日本にゆかりの深い中国の小説家、魯迅の詩集『野草』(1927年刊行)に由来。約100年前、時代の波に翻弄された魯迅は、絶望のなかに小さな希望を見出す自らの生き方を、もろく無防備でありながら、同時にたくましく生き延びる力を持つ野の草に喩えた。

様々な困難に直面する現代において、本展は魯迅の時代を出発点に東西冷戦の終結など、今日の息苦しさを生む原因となったいくつかの歴史的なできごとをたどるという。そして、それらを手がかりに、世界中から集まる現代アーティストたちの作品を通して、生き方を振り返り、この先にある希望を見出すことを目指す。

横浜美術館 撮影:笠木靖之

歴史的な建物が会場に

展覧会「野草:いま、ここで生きてる」は、横浜美術館(1989年開館)に加え、旧第一銀行横浜支店(1929年竣工)と、「旧横浜生糸検査所附属生糸絹物専用B号倉庫及びC号倉庫」(1926年竣工)を活用した文化・商業施設KITANAKA BRICK & WHITE内のオルタナティヴスペースBankART KAIKOという2つの歴史的な建物を会場として開催される。

また横浜駅から元町・中華街、山手地区にある諸施設と連携し、街歩きをしながら無料で楽しめる多彩なプログラムも実施。開催を楽しみに待ちたい。

KITANAKA BRICK & WHITE 撮影:大野隆介
旧第一銀行横浜支店

Art Beat News

Art Beat News

Art Beat Newsでは、アート・デザインにまつわる国内外の重要なニュースをお伝えしていきます。