横須賀美術館 外観
神奈川県横須賀市の横須賀美術館が、約10ヶ月間の改修工事を終えて再オープンした。同館は横須賀市の市制100周年を記念して2007年に開館。県立観音崎公園の豊かな緑と、東京湾を望む風光明媚な立地で、国内でも有数の絶景を楽しめる美術館として知られている。
今回の改修工事は、開館から20年近くが経過したことにともない、省エネルギーと建物の長寿命化を目指し、設備面の更新やメンテナンスを中心に実施。具体的には、空調機器の入れ替えや、潮風で錆びてしまったひさしや柵の再塗装、ガラス扉のフレームを錆びにくい素材に交換するなどの対応を行ったという。
また、展示室の照明をLED化し、調光ライトもハロゲンからLEDに変更。LEDは光の直進性が高いため、作品の視認性が向上したほか、蛍光灯と比べて紫外線や赤外線の量も少ないため、作品への負荷軽減も期待できる。
あくまで筆者自身の主観だが、改修前と比較してポジティブな意味で、外観や館内の雰囲気が大きく変わったという印象は受けなかった。周囲の美しい風景と館内とが一体になっているかのような開放感ある建物は、建築家・山本理顕の設計。ガラスと鉄板が入れ子になった二重構造が特徴で、正面玄関からは海の水平線が、屋上広場からは360度ぐるっと横須賀の風景を堪能できる。
1階と地階の展示空間、図書室やワークショップ室、ミュージアムショップやレストランなども備えた本館と、別館の谷内六郎館とが並んで建つ敷地は、海側からも山側からも通り抜けが可能だ。久しぶりに訪問し、季節ごとに訪れたくなる同館の居心地の良さを再認識した。