
顧剣亨 Mori, Shades_dw_003 部分 2026 © Kenryou Gu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates
英国を代表するラグジュアリーブランド・バーバリーが、日本を拠点に活動する若手アーティストを紹介する新たなコミッションプログラム「YJA(Young Japan-based Artists)」を発表した。本プログラムは、1990年代の英国で革新的な創造性を生み出した「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」の精神を、現代的な視点から再解釈する試みである。

今回選ばれたのは顧剣亨(こ・けんりょう)と䑓原蓉子(だいはら・ようこ)のふたり。顧の作品は、気候や時間の概念と風景の知覚を交差させるデジタル・ウィービングの技法を用いる。いっぽう、䑓原はテキスタイルやウールを通じて、アウトドアの要素を非線形的かつ触覚的に表現する。それぞれの作品が、京都市京セラ美術館で開催中の「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」(6月3日〜9月6日)の関連プログラムとして、新館・東山キューブのエントランスエリアにて展示されている。

「YBA & BEYOND」展は、1980年代後半から2000年代初頭の英国美術に焦点を当て、テートのコレクションを中心に50名を超える作家による約90点を紹介するもの。ダミアン・ハーストやトレイシー・エミンらが既存の枠組みを問い直した、90年代の創作の軌跡を検証する。バーバリーは、テートおよびブリティッシュ・カウンシルとの連携のもとで本展を支援。「YJA」はこの取り組みから派生したプログラムであり、YBAが体現した革新性と挑戦的な精神を、日本という新たな文脈で再構築しようとするものだ。

顧と䑓原はいずれも自然界を主題とし、人間と環境の関係性を探求する。その視点は、バーバリーが長年向き合ってきた「アウトドア」への関心と重なるものだ。とりわけ両者が用いるテキスタイル操作や織りの技法は、ギャバジンを生んだブランドの伝統とも深く響き合う。90年代の熱気をたどりながら、いま日本から生まれる表現にも出会ってほしい。