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太田順一 「父の日記」

銀座ニコンサロン(ニコンプラザ内)
終了しました

アーティスト

太田順一
作者の父親が遺した日記である。

夫人に先立たれてひとり暮らしを余儀なくされた頃からつけ始め、87歳で逝くまでの20年間、毎日欠かさず書いていた。性格そのままに、小さな文字でびっしりと。

何の趣味もなくこつこつと働いてきた昔式の人間であったから、内容は何をつくって食べたとか、テレビで見た何がどうであったとか、凡庸なものだが、端々にひとりで老いていくことへの不安が漏れ出ていて、だからこそ人に迷惑をかけぬよう達者であらねばと、人一倍健康を気遣っているさまが記されている。

亡くなる2年前、認知症(痴呆症)のこともあって老人施設に入った。本人にとって入所は不本意であったようで、そのときを境に日記は錯乱したものにと変わる。ページは汚され、殴り書きがなされ、偏執的に同じ文言、記述が繰り返されていく。

日記は、父親の脳を襲った嵐のその痕跡なのだろう。人はこのようにして老い、死んでいくと知らされた。遠からず訪れる作者自身の姿を見る思いの作品である。

モノクロ47点。

スケジュール

2009年3月18日(水)〜2009年3月31日(火)

開館情報

時間
10:3018:30
休館日
日曜日
最終日は15:00まで、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆は休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.nikon-image.com/jpn/activity/salon/exhibition/2009/03_ginza-2.htm
会場銀座ニコンサロン(ニコンプラザ内)
http://www.nikon-image.com/activity/exhibition/salon/
住所〒104-0061 東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA 1F ニコンプラザ銀座内
アクセス東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅A3出口より徒歩3分
電話番号03-5537-1469
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