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武腰潤 「―色絵磁器・平成の彩り―」

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

武腰潤
艶(あで)やかな色釉と描線が生む現代九谷の耀(かがや)き

ニューヨークの個展会場で、ある老紳士が自分の作品を見て、はらりと涙を流した。

「その姿が強く心に焼きついている」と語るのは、清艶な色絵で現代の九谷焼を代表する陶芸家・武腰 潤氏である。九谷彩色金襴手・泰山窯(たいざんがま)の4代目に生まれた氏は、金沢美術工芸大学で日本画と西洋画の構図を学んだ後、彩色金襴手とは様式の異なる古九谷に心惹かれ、作陶生活に入った。タタラ作りの方形を主とした作品には、日本画で磨かれた巧みな描線、優美な色釉の濃淡、妙味のある構図により、モダンでありながら雅趣に富んだ花鳥が、すっきりとした器体の上に生命を吹き込まれ、宿っている。「僕の色絵の原点は、釉薬の研究なのです。時間はかかりましたが、自分の絵を表現できる釉薬を創り出せたということです」。

牡丹の紫、翡翠(かわせみ)のトルコブルー、鴾(とき)のグリーン……。
従来の九谷焼にはない彩りを表現するために、高い質と粘性を持った色釉、その色釉を生かす透明釉を開発したことで、氏ならではの瑞々しい“平成の彩り”が誕生した。また、「輪郭ではなく、対象をどう取りあげるかの視点が大切」と自らが語る描線も、年々その味わいを深めている。

和光ホールでは4年ぶり7回目となる今回の個展は、翡翠・山蝉をはじめ、氏のライフワークでもある麒麟(きりん)文・四神(しじん)文などをモチーフに、絵皿・壺・香炉・篋(はこ)などの和のオブジェ80余点を展観する。和光では新作モチーフがたびたび発表されてきたが、今回も「用」を触発される花絵の食器、四足の動物が描かれた作品の出品を予定している。3年前には日本陶磁協会賞を受賞し、さらに洗練と円熟の度合いを増す作品群との出合いが今から心待ちにされる。

会期中、会場にて武腰 潤氏による作品解説を予定しております。
 6月25日(金) 14時~

[画像:武腰潤「山蝉五様四陵壺」 25.5×25.5×高さ25.5cm]

スケジュール

2010年6月24日(木)〜2010年7月10日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.wako.co.jp/exhibitions/225
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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