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「石井逸郎の世界展 - Porcelain Painting for DESIGN SHOWER -」

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

石井逸郎
大皿の中心に描かれた菩提樹の若葉は北欧の太陽を透かし、枝から葉先へとその色を変化させる。焼成された陶磁器に手描きで絵付けをするポーセリンペインティングだからこそ出せる繊細な緑色だ。石井逸郎氏は、日本人で初めてデンマークのロイヤル コペンハーゲンで、名作「フローラ・ダニカ」シリーズのペインターとして10年間活躍した経歴を持つ第一人者。デンマークと日本を行き来しながら創作と後進の育成を行う活動の中、和光で3年ぶり2回目となる個展が開催される。

今回は、季節にふさわしいリフレッシンググリーンをテーマカラーに、植物や鳥、海の生き物などさまざまなモチーフを描いた食の器約150点が出展される。「たとえばこの菩提樹は、日本で見る色とは微妙に異なります。光や湿度の違いから生まれる色合いを描くことは、その国の文化をも考えた表現なのです」という。氏は、ロイヤル コペンハーゲンにいたときに、自身の色の使い方に、生まれ育った日本の環境が影響していることを意識したそうだ。それはデンマーク人にはない特性であり、二つの文化圏を体験している石井氏だけが発見し、再現できる色合いだった。

「私の色は日本で見ればヨーロッパを感じるでしょうし、他の国で見れば日本を感じる。モチーフの違いではなく、空間に表現された光によるものなのです」。

前回に引き続き、白磁の重要無形文化財保持者(人間国宝)、井上萬二氏の窯による器への絵付け作品も出展されるが、それは欧州の白磁と微妙に違う、少し青みがかった風合を生かすことを意識して描かれている。

石井氏は常に「私の器は飾るのではなく、料理を楽しむことを前提にしている」という。「食べる前の高揚感、食べた後の余韻も含めて食の楽しみでしょう。食欲をそそるお皿の色、料理と絵柄の相性から生まれるほっとする気持ち。食を含め、生活を美しく彩ることが文化だと思います」。

独自の経験から生まれる色彩感覚を、精緻な筆で表現した石井氏の世界。色の追究への一つの成果が、そこにある。

[画像: 石井逸郎 八寸皿「菩提樹」径28×高さ4.7cm、コーヒー碗皿「菩提樹」高さ9cm、カップ口径7.5cm、ソーサー径14cm ともに磁器]

スケジュール

2012年5月3日(木)〜2012年5月12日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.wako.co.jp/exhibitions/297
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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