寺門豪写「部屋と写真」

ニコンプラザ東京

終了しました

アーティスト

寺門豪写

本展は写真における存在、認識について、一つの仮説（終結に向けた物語）を提示しようという試みである。写真が写すのは世界の断面でしかないが、断面の集積は新たな世界を作り出す。それは現実の編集というものに留まらず、感覚の拡大へと向かう。撮影は作者宅の一室で行われた。古い借家の和室である。テーブル、窓、白い布、壁…、白黒フィルムで撮影されたシンプルな構成の写真が続く。テーブルは静物画の台座にもなれば、地面にもなった。被写体はサクランボや靴からはじまり、山、水平線、あるいは撮影者自身である。カラー作品を加えてあるのは、それまでレンズを向けなかった、カメラの背後にあるものを写そうとしたもので、作者は「もうひとつの現実」を模索した。なお、制作中に借家の取り壊しが決まり、この部屋は文字通り写真の中の存在になる。カラー7点・モノクロ31点。

スケジュール

2013年8月27日(火)〜2013年9月2日(月)