夜気とは、夜(Ya)=‘evening’もしくは‘night’と、気(Ki)=‘air’もしくは‘atmosphere’という二つの漢字から成り立っている。この夜気を英語に訳すと“Night Air”or“Night Atmosphere”となる。しかしながら辞書で別の訳語を調べると、“Stillness of Night”(静かな夜)という言葉が見つかる。夜気という洗練された言葉に夢中になって夜の光に導かれた作者は、現実と幻想が入り混じって、時に超現実的な世界を作り出す日没後の時間に写真を撮り始めた。今回は2006年から今日まで撮った作品40点を展示する。写真は、主に東京とその周辺の様々な場所、様々な時に撮ったものである。いくつかの写真は、初めて訪れた場所であったり、人だったりする。また、いくつかの写真は、プライベートな状況の写真だったりする。本展を通して作者は、「夜」と切っても切れない関係にある特別な光の傍らにある独特の「気」を表わそうとしている。カラー40点。