全世界に熱狂的ファンを持つSF叙事詩の最新エピソードが公開されるこの時に、DIESEL ART GALLERY ではフランス人フォトグラファー、セドリック・デルソーの日本初となる写真展『DARK LENS』を開催します。霧の中を徘徊するAT-AT、荒涼とした都市の中を疾走するスピーダーバイク、ミレニアム・ファルコンがドバイの ビルの建設現場に着陸・・・一見すると、ジョージ・ルーカスが生みだしたキャラクターがまるで私たちの世界に入り込んだかのような感覚に陥ります。
セドリック・デルソーが選ぶ風景は、彼にとって“non-lieux”、すなわち廃墟あるいは開発途中の地であり、パリ郊外にある廃れた一角や、建設工事が進むドバイのいまだ人間味も生活感もない魂の抜けた場所です。 この風景に映画「スター・ウォーズ」のキャラクターをはめ込むと奇妙にも“double déjà vu (ダブル・デジャヴュ)” を体感します。それは慣れ親しんだ、しかし相容れない二つの要素の組み合わせなのです。まわりの風景も 建物も建設工事の現場も、そのありふれた光景は私たちにとって日常の一部になり得ています。また、まもなく40年を数えるSFヒーローはもはや私たちの文化の一部となり、たとえ映画を見たことがなくとも、それが何者なのかを言い当てることができるほどに広く認知されています。
ジョージ・ルーカスも絶賛する「DARK LENS」はこのふたつの現実とフィクションの対立の上に立ち、なおかつ その境界を揺るがそうとします。非人間的な地上の風景と人間的なヒーローたちがありふれた日常のなかで 詩的な邂逅を遂げる、それが今回、DIESEL ART GALLERYが紹介する『DARK LENS』の世界です。「DARKLENS」シリーズから約14作品と展覧会のために制作された映像作品を展示上映します。