岩絵の具と墨を丁寧に積み重ね、丹念に画面を作り上げる小松崎の絵画には、静かにたたずむ鳥や地面をついばんでいるような鳥など、様々な様子の鳥が描かれています。鳥の形に生きる事の不思議を感じ、人間とは違いあまり余計なことを考える事のなさそうな表情に惹かれる、と小松崎は言います。そぎ落とされたフォルムで描かれた鳥に混ざって、図形のように直線で構成された鳥が描かれることもあります。描く中で鳥の形が膨らんだり縮んだりする感覚があると小松崎は言いますが、その変化を受け入れる事で、描き手の意図しない形が生まれてくるのかもしれません。どこか空想と現実が入り混じったような空気に包まれていますが、じっと見つめていると、この鳥たちをいつかどこかで見た事があるような感覚がもたらされます。昨年のギャルリー東京ユマニテ bis での展覧会に続き2回目となる本展では、鳥をモチーフとした 100号の新作を中心に10数点の作品を展示いたします。