河口龍夫 「種子が芸術になるとき」

SNOW Contemporary

poster for 河口龍夫 「種子が芸術になるとき」
[画像: 「関係―ひと粒の鉛の種子・リンゴ」(1987) 種子、鉛、厚紙, 25.7cm x 18.5cm]

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SNOW Contemporaryでは5度目の個展となる今回は、自身の作品でモチーフとして度々登場する「種子」を主題とした作品を発表いたします。河口は、1982年から継続的に「関係—種子」シリーズを展開し、種子と最初に出会った場でもある食卓や書籍、櫛、植木鉢、鍬、ついには温室まで、多様なものを種子と共に銅や鉛、蜜蝋で封印しています。肉眼では捉えることができない人と物質との見えないつながりや事象を形として表現してきました。複数の種子が蒔かれたような構成の「関係—種子」シリーズは広く知られていますが、本展では、1987年に制作された一粒の種子からなる「関係―ひと粒の鉛の種子」シリーズ全30作品の一部を初めて発表いたします。本作は野菜や果実、植物などの種子が一粒づつ鉛で密封されていますが、その厚みや大きさ、凸凹などの痕跡から包まれた種子の存在を感じることができます。河口がステートメントで「目の前に置かれているひと粒の蓮の種子を見つめ続ける。時には触ってみたり、手の平に置いて匂いをかいでみたりして、数時間そのひと粒の蓮の種子と対峙する。そして、その種子をできるだけ理解しようと努力する。できれば蓮という言葉を超えてひとつの生命体としてのありのままを理解しようと試みる。しかし、いったい一粒の蓮の種子を理解するとはどういうことであろうか。種子がわかったという根拠はどこにあるのであろうか。さらに何をもってわかったといえるのであろうか。蓮の種子を見つめながら、自問自答の時間が経過する」と記載しているとおり、一粒の種子そのものと真摯に向き合った作家の痕跡を各作品から見て取ることができます。
本展に際し論考を寄稿した鞍田崇は、河口の本作品に対する目線を次のように執筆しています。「〈関係―ひと粒の鉛の種子〉シリーズでは、スイカ、マスカット、メロン、リンゴ、グレープフルーツ、ザクロ、ナシといったなじみの果物の種子もあれば、コメ、ソラマメ、カボチャ、キューリといった食卓を彷彿とさせる種子もある。スィートピーやアサガオ、ハスの種子からは、慣れ親しんだ庭の光景を見るようでもある。共通しているのは、それがどれも小さいこと。〈関係―縄文時代〉シリーズでは、もはや痕跡しかない。はかなく、おぼつかなく、でも確実に在るといえるもの、それが在るのでないならば、この世界のすべてがないに等しいといえるもの。そういうものが、ひとつひとつ、河口の手によって僕たちの前に供されている。あたかも、小さく、はかなく、おぼつかない僕たち自身を見守るように。」(「河口龍夫を体験する」より抜粋)本展において発表する作品群は、すべて一粒の種子で構成されています。「関係―種子」シリーズを、新たな視点から考察いただく貴重な機会となりますので、是非ご高覧下さい。

メディア

スケジュール

2020年01月10日 ~ 2020年02月08日

オープニングパーティー 2020年01月10日18:00 から 20:00 まで

アーティスト

河口龍夫

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