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[画像: Takahiro Yamamoto Untitled 2019~2020 Oil on canvas 183.0 x 152.0cm_]

山本隆博 「Aging Painting」

MAKI
終了しました

アーティスト

山本隆博
この度、MAKI Galleryでは、古い絵葉書や肖像写真を細密に描写する山本隆博の個展を開催いたします。山本は複製を存在意義とするモチーフを取り上げることにより、唯一性とは何か、オリジナルとは何かを問いかけます。フォトリアリズムのような驚くべき描写力をもちながら、その奥に独自のコンセプトを潜ませる彼の表現に、私たちは思わず惹き込まれてしまいます。山本は何を描き、何を私たちに見せようとしているのでしょうか。
山本は、古い絵葉書や肖像写真を描写するとき、古くなって変色したり、折れ曲がったり、剥がれたりしている情報までも拾い上げ、細密に描き込みます。“劣化”は、絵葉書や写真に独特の“味”を与え、それらがもつ美しい風景や話題になった事件や美しい女性(あるいは男性)を広く流布する、ある時間や場所、人物を記録すること以上の機能をもたせます。これらの古い絵葉書や写真には、有名な画家のマスターピースならあるはずの来歴など記されていません。ただ偶然に誰かから別の誰かの手を経て時間を潜り抜けてきたのです。この見えない時間が劣化というかたちをとってモチーフに刻まれます。
なぜ古い絵葉書や古い肖像写真を制作のモチーフに選ぶのか、その背景には、複製されたものとオリジナルの関係性を追求したいという作家の思いがあります。一般にオリジナルには価値があり、複製はそれに劣るといわれます。時間を経て色あせや傷を受けた複製物(印刷物や写真)は、もし同じ時間を過ごしたものが他にあっても同じ劣化とはなりません。時間が複製に唯一性を与えたのです。作家はそこに時間そのものを見出し、ていねいに写し取ります。“時間”を描写することで、そこにオリジナルの価値を与えるのです。
こうしたコンセプトを作品として実現させる高い技術をもつ山本隆博は、その巧みさゆえに技のみが注目されがちです。しかしながら、作家は時間がもたらす意味と価値観を表現するために、この技を必要としたにすぎません。ぜひ作品を通して作家の思いを感じていただければ幸いです。

スケジュール

2020年6月12日(金)〜2020年7月18日(土)

開館情報

時間
11:3019:00
休館日
月曜日、日曜日
展示期間以外は不定休
入場料無料
展覧会URLhttps://www.makigallery.com/exhibitions/2720/
会場MAKI
https://www.makigallery.com/ja/
住所〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-11-11
アクセス東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A2出口より徒歩2分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅5番出口より徒歩6分、JR山手線原宿駅東口より徒歩10分
電話番号03-6434-7705
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