鍵岡リグレアンヌ 「Transition」

MAKI Gallery / 天王洲 II

poster for 鍵岡リグレアンヌ 「Transition」
[画像: Anne Kagioka Rigoulet, Figure k-h-5, 2020, oil and mixed media on panel, 194.0 x 390.9 cm]

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このたび MAKI Galleryでは、鎌倉を拠点に活動する鍵岡リグレアンヌのおよそ3年ぶりとなる個展「Transition」を、天王洲ギャラリースペースにて開催いたします。会場では、鍵岡が2014年より描き続ける、水面の反射を題材にした代表シリーズ「Reflection」から展開された「Figure」シリーズと、2019年のルクセンブルクでのアーティスト・イン・レジデンスをきっかけに制作がスタートした「Element」シリーズを主軸に構成された新作を展示いたします。両シリーズに共通する要素である、変化や移り変わりといった意味をタイトルにもつ本展覧会では、異なる主題や技法、スケール、色彩、そして空間を私たちが行き来することでもたらされる感性や知覚により、さらに作品自体にも絶え間ない変化が生まれます。鍵岡の最新作を、どうぞ会場にてご高覧ください。

日常の風景に潜む抽象的な形や、自然のもつエネルギーを表現することを根底のコンセプトとして一貫した制作を行ってきた鍵岡は、これまで世界各地で取材した水面の反射をもとに、学生時代に習得したグラフィートという古典的な壁画技法に布によるコラージュを加えた独自のペインティング法を用いて、立体感のある絵画を描いてきました。「Reflection」と題されたこのシリーズは、時には複数のパネルを組み合わせた3メートルを超える大スケールで水の本来もつ力強さを表現し、また時には色彩をモノクロームに限定することでより研ぎ澄まされた造形性が生みだされたりと、制作が始まった2014年以来私たちを魅了し続けています。「Reflection」シリーズから展開した「Figure」では、人が水面に映り込むことで生じる、自然と人体が融合された世界が描かれています。水の流れや映り込む風景、水中の状況などあらゆる条件が加わることで、人の姿が歪み、交わり、溶け合い、絶えず変化するこれら一連の情景に、事物が抽象化されていく過程をより強く感じ取った鍵岡は、そのプロセスと躍動的な力強さを、独創的な技法をもって画面上に描きだしています。また、人の肌や、身に付けているものが水面に映り込むことで生まれる、自然界では見られない多様な色彩は、今までの作品にはない配色の考察へと鍵岡を導きます。人の形が具体化されていないからこそ私たち観る人の感覚と想像力を刺激し、その正体を問い続けることができる本シリーズは、水面と人体表現の新たな一面を探求する作家の試みを、重層的かつ生き生きとした水面の波間から感じ取ることができるでしょう。一方、ダイナミックな岩をモチーフとした最新シリーズ「Element」は、制作のきっかけとなる2019年のアーティスト・イン・レジデンスで訪れたルクセンブルク滞在中に描いた水彩絵具による習作を基盤として、現地で体感した自然の原始的な迫力や壮大さをアクリル絵具で表現しています。全身を使いドローイングのようなストロークで画面とやりとりを行うことで、大地が生みだす複雑で有機的な造形美と、豊かな精彩が余すところなく引きだされています。長い年月をかけて水の力による浸食で形作られ、現在の姿を見せている岩たち、そしてその抽象的なフォルムは、時間帯や天候によって色彩と共に多様に変化し、無限に表情を変えていきます。周りの条件によって変化し続ける水面と共通する要素でもあることから、この新たな作品群はこれまでの作家自身の制作活動と自然な形で繋がりをみせています。

昔から身近な題材として描かれ続けてきた、水面や風景、人体。鍵岡はその歴史にさらに新しいひとつの歩みを踏みだすべく、色彩、質感、光、リズムといった絵画の本質的要素にひたむきに向き合い、現代における独自の表現、そして展開を提示し続けています。どうぞ会場にて、岩や水面に宿る根源的なエネルギーと、それらが様々な移ろいによって放つダイナミックな力強さを体感ください。

メディア

スケジュール

2021年05月22日 ~ 2021年06月23日

アーティスト

鍵岡リグレアンヌ

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