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[画像: Johan Deckmann, The Way I Felt, 2021, acrylic on linen canvas, 150.0 x 120.0 cm]

ヨハン・デックマン 「You May Not Want To Hear This」

MAKI(天王洲)
終了しました

アーティスト

ヨハン・デックマン
このたびMAKI Galleryでは、コペンハーゲンを拠点に活動するアーティスト、ヨハン・デックマンによる日本初の個展「You May Not Want To Hear This」を開催いたします。本展の会場となる天王洲 I のギャラリースペースにて、新作のペインティングシリーズやミクストメディアの立体作品、そしてウィットに富んだ英語のタイトルや鋭いフレーズを本にペイントし、人生を巧みに表した作家の代表シリーズをご紹介します。

アーティストでもあり、また現役の心理療法士でもあるデックマンは、自身の心理学的バックグラウンドを直接作品へ取り込んでいます。デックマンは自己啓発本にインスパイアされた、風刺的でありながらも遊び心溢れるタイトルを瞬く間に呼び出します。それら本のタイトルは、普遍的な不安や恐怖、フラストレーションに鋭く言及しています。ʻ無意味な明日を乗り切る方法ʼやʻ不可能なんてない(本当はそうでないと気づいた時に限る)と信じる方法ʼなど、誰もが考えますがあえて口には出さないような皮肉めいた一言を、デックマンは軽い気持ちで色褪せた表紙に配置しています。タイトルはさらなる教示が中にあると仄めかしているにもかかわらず、本は接着して閉じられているため、ページに書かれているだろう内容に考えを巡らせることしかできません。

デックマンは他のファウンド・オブジェ(見出された対象)にも同様に痛烈な表現をペイントし、同時に各々の形状を活かすことでその意味を強調しています。「Emotional Baggage」ではʻBaggage(荷物)ʼの単語がフロント部分に描かれた小さなヴィンテージキャリーボックスをʻEmotional Baggage(感情的な荷物)ʼと示された大きいスーツケースの上に積み重ねています。デックマンはオブジェクトの相対的なサイズを用いて、精神的負担による重みを物理的な形へと具現化しています。また「Pain/Gain」では、表紙にʻPain(苦痛)ʼと書かれた分厚い本の隣に、気の毒なほど薄っぺらなʻGain(成果)ʼと題された本が並んでいます。ダイレクトで的確な手法とともに、デックマンは私たちが常に耐え凌いでいる争いやプレッシャーなど、日々の中にある皮肉や複雑さを鋭い視点で暴き出します。

近年、デックマンはこれら洞察に満ちたワンフレーズをキャンバスに描き始めました。ʻ今知っていることを知る前の気持ちに戻りたいʼやʻ誰にも気づかれないほど高い壁を作る方法ʼなどのフレーズが大胆に刻まれ、シンプルに枠で囲われているか、単色の背景に配置されています。忌憚ない率直な姿の絵画は、それらが持つ言葉の誠実さを引き立たせています。本展のタイトルが示すようにデックマンの作品は、直面することは困難かもしれないが、向き合うことこそが極めて重要な真実へ果敢に立ち向かうよう、鑑賞者に促しているのです。

深遠さや繊細さをまっすぐに捉え、そしてしばしば人間の有り様を問うデックマンの作品は、ユーモアや奇抜さの陰で生々しい真実を提示しています。彼の芸術実践は、美と醜悪、不安と喜び、確実性と不確実性といった人生のあらゆる側面を掘り下げ、観る者をクリティカルな内省へと向かわせます。ぜひこの機会にデックマンのMAKI Gallery初となる個展で、作品の背後に隠された真実を解き明かしてみてはいかがでしょうか。

スケジュール

2021年10月16日(土)〜2021年11月17日(水)

開館情報

時間
11:3019:00
休館日
月曜日、日曜日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.makigallery.com/exhibitions/5599/
会場MAKI(天王洲)
https://www.makigallery.com/ja/
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 1F
アクセスりんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩9分、東京モノレール天王洲アイル駅南口より徒歩10分、京急本線新馬場駅北口より徒歩9分、JR品川駅港南口より都営バス「天王洲橋」下車徒歩4分
電話番号03-6810-4850
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