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「日原聖子 Circle in red / 吉野俊太郎 Peripeteia」
終了した展覧会・イベントです
[画像: メインビジュアル: 明津設計]
「日原聖子 Circle in red / 吉野俊太郎 Peripeteia」
駒込倉庫 Komagome SOKO
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アーティスト
日原聖子、吉野俊太郎
この度駒込倉庫にて、日原聖子による個展「Circle in red」と、吉野俊太郎による個展「Peripeteia」を開催いたします。
日原聖子はこれまで近親者や友人、初対面の鑑賞者など、個人と個人とが接触する際に発生する境界面を舞台に制作を重ねてきました。主に針仕事によって完成される日原の作品ではそのほとんどに他者が関わり、話すという行いが採用されています。そうして会話と並走するかたちで縫い上げられた糸の軌跡には針を動かした者の個性だけではなく、その時に口にされた言葉や感情、または話題そのものがとざされ、展示空間へとあらわれていきます。本展に際しては、新型コロナウイルスの蔓延により明確に引きはなされた人と人の距離における今日の“共同”や“共感”の在り方を検討すべく、日原は複数の友人にホウセンカの種や苗を託し、そこに咲いた赤い花弁を利用して各自が爪を染めるプロジェクトを進行しました。その過程の中では「装いについて」というテーマで複数人で話し合う時間を設けており、参加者同士が過去の自身の“装い”に関する記憶を共有することで日原の制作へと介入します。ホウセンカで染めた布や参加者に縫われた刺繍の文字など、共同作業を介して生まれるテキスト / テキスタイル / テクスチャーが本展では同じ空間に並置され、個人同士の、あるいは集団としての共感の可能性が提示されます。
吉野俊太郎は自身が専門とする彫刻を出発点として、美術展示における台座の有り様に注目した作品の発表を続けてきました。鑑賞対象としての作品を支持しつつあくまで補助具や地形の一つとして没却されるその存在に、吉野は日本古典における黒衣 (黒子) との、またはサーカスなどの道化との類似性を見出しており、それらの存在を引用して近年では、台座自体を擬人化するような制作を行ってきました。これらの制作に表される主従や主客といった関係は、作品上ではもはや渾然一体となっており、問うていたはずの台座という問題は今度は制度の両価的側面へと結びついていくようにも思われます。二回目の個展となる本展において吉野は、台座における君臨と従属の二面性をアリストテレスの悲劇論にて説明される“逆転” (peripeteia) という要素になぞらえて、今度は台座の裏や背面に言及することを試みます。美術展の先祖である「見世物」の内実が虚構と演出に満ちていたことと同様に、現代でも“仕掛け人”の存在が美術において見過ごせないものであると考える吉野は、その内幕に在る意思に目を向けるべく自らが台座や舞台といった装置を装うことと、台座や舞台に展示作家を装わせることとを繰り返します。
日原と吉野でそれぞれ個別の展覧会となりますが、両者共に他者存在との交信や装いという共通の関心を介して、今日におけるそれぞれの問題意識へとアクセスします。
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スケジュール
2021年10月30日(土)〜2021年11月21日(日)
開館情報
休館日
イベントにより異なる
備考
月曜日・火曜日は休廊、開廊時間 13:00〜19:00
入場料
無料
会場
駒込倉庫 Komagome SOKO
https://www.komagomesoko.com/
住所
〒170-0003 東京都豊島区駒込2-14-2
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アクセス
JR山手線駒込駅東口より徒歩2分、東京メトロ南北線駒込駅4番出口より徒歩2分
関連画像
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#彫刻・立体
#インスタレーション
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