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[画像: © Wang Lu]

王露 「Frozen are the winds of time」

コミュニケーションギャラリーふげん社
終了しました

アーティスト

王露
このたび2021年9月16日 (木)から10月3日(日)まで王 露 写真展「Frozen are the winds of time」をコミュニケーションギャラリーふげん社にて開催いたします。

王 露(Wang Lu)は1989年中国・山西省生まれ、武蔵野美術大学造形学部映像学科を卒業し、現在、東京藝術⼤学美術研究科先端芸術表現専攻修⼠課程在学中の写真家です。

2019年に第20回写真「1_WALL」ファイナリスト選出、キヤノン写真新世紀佳作、第2回「SHINES」に入選。2020年LensCultureが主催する「Critics’ Choice 2020」にてAperture MagazineのMichael Famighetti⽒に選出されるなど、今後の活躍が期待される写真家です。

本展では、都市開発が推進されている中国の地方都市である故郷を背景に、自身の父と母を捉えた写真と、母の手記を手がかりとして、一つの家族の肖像を描き出します。

故郷に暮らす父は、王が12歳の時、事故によって、脳に重い障害を抱えることとなりました。彼は幼い子どもと同等の知能に低下してしまい、一番身近な家族のことも認識が危うくなってしまいました。育ち盛りの娘を抱えて突然そのような状況に陥ってしまった時の、混乱し、苦悩する母の日記は、生々しく胸に迫ります。

一方で、王の故郷である中国の山西省太原は、近年市長が推進する都市開発計画によって高速に発展してきました。高層ビルや、新しい道路、整備された公園、工事中の瓦礫など、見慣れた景色があっという間に都市化されていく様子を見て、帰省するたびに外国のような感覚に陥ったと言います。しかし、そこに暮らす人びとは、以前と同じ話し方、服装であり、都市化された環境とちぐはぐなコントラストを産んでいます。

外的要因によってある部分が直線的な時間の流れから逸脱し、そのあり方に歪みが生まれたある一つの家族と、急速に都市化された環境に追いつけない住民は、相似形を成します。しかし、歪みや矛盾を抱えながらも、前に進んでいかざるを得ない、家族や都市という運動体は、逆にその人間らしさを浮き彫りにするのではないでしょうか。自身の家族や故郷にレンズを向けることで、幼い頃から逃げ続けていた現実に向き合うことができたという、王の写真からは、辻褄が合わないことに対する許しや肯定感さえ感じられます。

ある一つの家族と都市を、透明感のある写真でありのままに捉えた作品は、国境や文化的背景を越え、多くの人々の無意識部に訴えかけるでしょう。

スケジュール

2021年9月16日(木)〜2021年10月3日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
土曜日・日曜日は18:00まで
休館日
月曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://fugensha.jp/events/210916wanglu/
会場コミュニケーションギャラリーふげん社
https://fugensha.jp/
住所〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12
アクセス東急目黒線・東京メトロ南北線・都営三田線・JR山手線目黒駅西口より徒歩17分、JR山手線目黒駅西口より東急バス「元競馬場前」下車徒歩1分
電話番号03-6264-3665
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