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丸井元子 「Play」

ギャラリー月極
終了しました

アーティスト

丸井元子
この度ギャラリー月極では、11月3日より、丸井元子の個展「Play」を開催いたします。丸井は東京を拠点とし、アートディレクター/グラフィックデザイナーとして様々なブランドキャンペーンや、CDジャケットなどを手がける傍、数年前より二人の子供の育児に奮闘しています。そんな中、第二子妊娠中に製作したZINE「TASOGALE」をきっかけに、母親としての思いや体験を作品に表すことを積極的に始めています。

丸井はある時から、公園で出会う大人や、自分自身が、遊具にあまり興味を示していないことに気づきました。そんな中、時折見かける遊びのあるデザインの遊具をみて丸井は感動し、自分もいつか遊具をデザインしてみたいと思うようになりました。公園利用者は子供だけにとどまりません。すべての人へ向ける遊具がもっとあったらという想いを巡らせた丸井は、今回の展示で、公園の遊具の新しいデザインの提案を数点発表致します。

一般的な公園にある遊具は、小さな子供が好きそうな形やモチーフ、はっきりとした色で作られているものが多く見られます。加え、昔の公園に比べ、今の公園は規制が増加しており、安全面を考慮した遊具のみが採用されます。

丸井のデザインした遊具たちは、そのどれにも当てはまりません。 モチーフ、色、遊び方、何をとっても一つの答えが出ない、「ピンクの象の滑り台」などと言った通称をつけることも難しいものたちばかりです。しかし、それらは、裏を返せば、数え切れぬほどの解釈を可能にします。色は、青やオレンジ、といった特定の色で表せると同時に、「夕焼けの色」「昨日飲んだジュースの色」などといった、思い出と結びつけて表現することもできます。説明できない色や形、遊び方にすることで、それらを会話の中で決める機会を作り、想像力やコミュニケーションの幅を広げます。一つの公園で遊んだという思い出が、遊具の解釈の違いによって、個性が主張され、より特別なものへと変化してゆきます。それは、子供同士、大人同士、そして一人だけでの時間の中でも強く印象に残るものになります。

今回のデザインには、子供のおもちゃや遊具には懸念される「角」も多く、一見、公園の遊具の提案としては、決して通らぬ案かもしれません。しかし、近い将来、今までありえなかった形が採用できるような、新たな素材や方法が生まれるかもしれない、生まれてほしい、そんな思いも込められています。大人には、子供達の安全のため工夫をこらす義務ありますが、子育ての醍醐味の一つは、子供を通してもう一度色々な遊びが出来ることだと丸井は感じています。子供は大人が喜んでいる姿を見ることが大好きです。大人も一緒に、心から遊具を楽しんでいる姿を見せるということも、今後の公園づくりのキーワードになるのではないでしょうか。

その思いがたくさん詰まった今回のデザインたちは、そのような未来への希望を象徴する「モチーフ」として受け取ってほしいと丸井は考えます。

アートディレクターと母親という、丸井の二つの顔は、生活の中で交差し合い、それぞれの活動に影響を与えています。母親として、いま再び「遊び(Play)」を経験しはじめた丸井の、子供の頃に見えなかった一面への気づき、新たな発見、そして子供の頃に感じたワクワクとした感情がたくさん詰まった作品を、この機会にぜひご鑑賞ください。

スケジュール

2021年11月3日(水)〜2021年11月27日(土)

開館情報

休館日
イベントにより異なる
備考
開館時間: 12:00-19:00、日曜日・月曜日は休館
入場料無料
会場ギャラリー月極
http://tsukigime.space/
住所〒152-0001 東京都目黒区中央町1-3-2 B1F
アクセス東急東横線学芸大学駅東口より徒歩12分、JR渋谷駅東口より東急バス「中央町」下車徒歩1分
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