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[画像: Susumu Kamijo, Welcome To The Tomorrow Island, 2021, vinyl paint and pastel pencil on canvas, 152.4 x 121.9 cm]

ススム・カミジョウ 「Beyond The Hills」

MAKI(天王洲 II)
終了しました

アーティスト

ススム・カミジョウ
このたびMAKI Galleryでは、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するススム・カミジョウの日本では3年ぶりとなる個展「丘の向こう Beyond The Hills」を、天王洲ギャラリースペースにて開催します。2018年に弊社で開催された日本初個展では、色彩豊かな形やパターンを組み合わせた、遊び心あふれるプードルのドローイングシリーズで私たちを魅了したカミジョウ。本展では、紙からキャンバスへと舞台を移し、より本質的な視覚要素へと抽象化されたプードルたちが、会場でそのユニークな存在感を放ちます。本展のために制作されたカミジョウの最新作を、どうぞご高覧ください。

プードルという一見愛らしいテーマを入り口としながら、色と形が織りなす表情豊かな絵画世界へと観る者を誘うカミジョウの作品は、ドローイングからペインティングへと変遷する中でその表現方法を大胆に発展させてきました。身体造形が極限までそぎ落とされ、もはや犬とは認識しがたい生き物。パーツひとつひとつの外形が単純化されることで、私たちはそのフォルムの純粋な美しさに意識を向けることができます。さらに、主題の本質を見出して、その内面の不気味ささえも引きだすほど真に迫るカミジョウの描写は、対局する二面性を作品にもたらし、どこか惹きつけられてしまう危うさを持ちあわせています。そして、背景とともに全体の構図がキャンバス上で組み立てられると、抽象化された要素が元の主題を呼び起こし、楽しさや軽快さを含んだ新しいリズムを絵画に生みだします。

一方、ミニマルに処理された背景に関して、カミジョウは「書道のような、日本的な部分でもある」と語っています。紙を使ったドローイングを長く制作してきたカミジョウは、キャンバスでもあえて紙と変わらないやりとりを画面と試み、結果として生まれた広いネガティブスペースは、図とのバランスによって奥深い絵画空間をもたらしました。今までの作品にみられる細かいドットによる装飾も一切取り除き、分割されたパーツから成る平面的な構図や背景に配置された控えめな植物といった簡潔な描写は、最小を目指す極限の美である侘びの真髄を捉えようとするカミジョウの表現への追及がうかがえます。これらは16歳より日本を離れて生活している作家にとって、無意識のうちに引き寄せられた様式美なのかもしれません。

カミジョウの表現するプードルとその住まう世界がこの先どのような変貌を遂げるのか、それはカミジョウ自身にもわかっていません。作品を前にじっくりと見つめていると、人の顔にも思えてくる、生物学的な枠さえ超えようとする概念的な存在が、ユーモラスなしぐさで一歩ずつ私たちの意識に入り込み、ひとつのまなざしで形と色、線が戯れる独創的な空間へと誘います。ぜひ会場にてカミジョウの唯一無二の世界観をご高覧ください。

スケジュール

2021年7月3日(土)〜2021年8月4日(水)

開館情報

時間
11:3019:00
休館日
月曜日、日曜日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.makigallery.com/exhibitions/4908/
会場MAKI(天王洲 II)
https://www.makigallery.com/ja/
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEXⅡ1F
アクセスりんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩7分, 東京モノレール天王洲アイル駅南口より徒歩8分、京急本線新馬場駅北口より徒歩9分、JR品川駅港南口より都営バス「天王洲橋」下車徒歩3分
電話番号03-6810-4850
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