安部悠介「何も言わなくても、これは確かなことだ」

VOILLD（ボイルド）

終了しました

アーティスト

安部悠介

この度VOILLDは、安部悠介による新作個展「何も言わなくても、これは確かなことだ」を開催致します。本展は2017年に開催された個展「Earthbound Abe （アースバウンド・エイブ）」に続く、VOILLDでは4年ぶり、2度目の新作展となります。

安部悠介は山形出身、現在東京を拠点に活動している画家です。安部の作品群は、油彩、スプレーでのペインティングを軸に、プラスチックやカード、ゲームソフトまで、様々な異素材のマテリアルを活用し構成されています。幼少の頃に遊び親しんでいた自然での冒険、TVゲームやカードゲーム、ノートや教科書の隅に無意識に残してきた落書きなど、少年時代を彷彿とさせるようなモチーフが登場し、ノスタルジックな記憶の中に潜む楽しさ、虚無感など、複雑な感情を独自の目線で表現しています。殴り描いたような線や単純に思えるモチーフ逹は、絵画というジャンルに対してのアンチテーゼともいえます。それらはすべて安部自身が体験してきた思い出であり、現在の自分を作り上げた重要な要素であり、彼自身の訴えの体現となっています。現実と偶像、空間や時間が混在した実体のない感覚を、何度もキャンバス上に描いては消し、また上から描くという行為が、感情や時間軸を超えたレイヤーとなり、それらが奇跡的に重なった時に一つの作品が完成するのです。

本展では、安部が近年実践している手法であるキャンバスの上にキャンバスやドローイング、木材などを独自のインスピレーションで貼り重ね、画面上でコラージュした作品を中心に発表いたします。それぞれが違う時間で完成された作品を、それぞれの意思とは反するように、時空や次元を超えて多元的に組み合わせることで、新しい絵画を見出そうと試行錯誤してきました。それは安部が探求を続けているテーマでもあり、絵画の根源、そして安部自身への、終わりなき挑戦ともなっています。様々な手法を用いて、いかに作品が成立するかの瞬間を安部自身が楽しみながら制作を続ける姿勢は、絵画の自由の新たな境地であり、創造の本質とも言えるのではないでしょうか。
会場では、新作となる平面作品、約20点を展示・発表致します。

スケジュール

2021年9月4日(土)〜2021年9月26日(日)