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[画像: ©Kenro Izu]

井津建郎 「もののあはれ」

PGI
終了しました

アーティスト

井津建郎
PGIでは初めてとなる、井津建郎の作品展、「もののあはれ」を開催致します。
井津建郎は1971年に21歳で渡米し、ニューヨークでスタジオ運営する傍ら、50年にわたり、祈りや、人間の尊厳をテーマに、14×20インチの超大型カメラでの撮影とプラチナプリントによる作品の制作、発表を続けてきました。
1979年に初めて訪れたエジプトで、人智を超えたものの存在に魅せられ、世界各地の聖地、石造遺跡や建造物の撮影を始めました。1993年には、初めてカンボジアを訪れ、アンコールワットを撮影、そのスケールの大きさと、場に漂う包み込むような独特の空気から『特別な場所』と語るアンコール遺跡群を7年掛けて撮影します。2003年にはブータンで、人間の内に聖なるものを見出し、インド、ガンジス川流域では、全てを受け入れ、信仰の中に生きる人々にカメラを向けました。
本展「もののあはれ」は、祈りや人間の尊厳をテーマに世界各地を撮影してきた井津が、近年、初めて日本国内で取り組んできた能面のシリーズと、磐座や神社周辺の自然環境に漂う神聖性を観察した作品、コロナ禍の自粛生活の中で、自宅周辺の道端に人知れず咲き、そして散っていく名も知らぬ草花に「儚き美」を見出し、自然光の中で撮影した静物写真で構成し、日本独特の美的理念、美意識である、「侘び寂び」や「もののあはれ」を表現したものです。
人々が崇める場としての聖地から、次第にそこに集う人々の祈り、人間の内になる信仰に興味を移した井津にとって、初めて能面と対峙したとき「奥深くも美しい精神性を感じた」のは自然なことだったのではないでしょうか。
能楽は、室町時代から650年以上続く日本の伝統芸能ですが、この世界最古の演劇は、ただ歴史があるだけでなく、台本や演出のほか、実際に使用する能面や装束までもが当時から受け継がれている極めて特殊な演劇です。
この完成された工芸品を改めて写真に撮ることの意義に疑問を感じたと語る井津ですが、修復を重ねた塗装が艶かしい光沢を放ち、長い年月を経て刻まれた傷が凄みを見せる能面と一人座敷で対峙することで、長い歴史の中で綿々と受け継がれてきた魂が宿り、その内にある哀艶さまでもが見事に引き出されています。
ゼラチンシルバープリント作品約25点を展示致します。

スケジュール

2021年11月24日(水)〜2022年1月21日(金)

開館情報

時間
11:0018:00
休館日
日曜日、祝日
備考
冬期休廊: 12月25日〜1月5日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.pgi.ac/exhibitions/7380
会場PGI
http://www.pgi.ac/
住所〒106-0044 東京都港区東麻布2-3-4 TKBビル3F
アクセス都営大江戸線赤羽橋駅中之橋口より徒歩4分、東京メトロ南北線・都営大江戸線麻布十番駅6番出口より徒歩8分、東京メトロ日比谷線神谷町駅1番出口より徒歩8分
電話番号03-5114-7935
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