鎌倉国宝館大正12年(1923)9月1日に大正関東地震が発生して、令和5年(2023)で100年を迎えます。大正関東地震では、激しい揺れと津波によって、関東地方一円で建物の倒壊や火災が起き、多くの尊い人命が失われました。殊に、鎌倉地方は震源域に近かったことから、その被害は甚大で、それは当地の寺社に伝わる尊像や宝物類も例外ではありませんでした。破損した宝物類を蘇らせるべく、奈良の美術院から修理技術者たちが来鎌。鶴岡八幡宮境内に設置された修理所において修理作業が開始されました。その後、昭和3年(1928)に開館した鎌倉国宝館内にも修理所が設けられましたが、ここで鎌倉市内のみならず、市外や神奈川県外の寺社の宝物に至るまで、広く修理を請け負っていたことはあまり知られていません。
本展では、大正関東地震発生100年という節目に、当時鎌倉で進められた文化財の復興事業に着目します。そして、この震災を契機に建設された鎌倉国宝館の、修理所としての機能にも光を当てることで、近代日本における文化財保護の歴史の一端を明らかにしたいと考えます。
さらに、本年は元禄16年(1703)11月23日に発生した元禄関東地震から320年の節目の年でもあります。震源域は異なるものの、関東地方に甚大な被害を与えた地震として知られています。本展では、江戸時代のこの地震にも注目しました。
18世紀と20世紀の鎌倉地方における二度の悲惨な地震災害と、そこからの復興、特に寺社の被災と復興について、本展覧会を通じて見つめ直していただければ幸いです。
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