19世紀後半、海を越えヨーロッパに渡った日本の美術品は、ジャポニスムと呼ばれるブームを巻き起こし、絵画、彫刻、陶磁器、ガラス、そして建築などの多様なジャンルに取り入れられ、影響を及ぼしました。フランス・アール・ヌーヴォー期を代表する芸術家エミール・ガレ(1846-1904)は、こうした時代に、フランス北東部ナンシーでガラスと陶器の創作活動を開始したのです。
ガレが手がけたガラス、陶器、そして家具には、さまざまな形で日本美術との結びつきが見受けられます。多くの芸術家たちがそうだったように、彼もまた、当初は表面的なモチーフの転用から出発しました。しかし、ガレに与えた影響は、日本の美意識への理解が深まるとともに次第に深化し、彼独自の芸術性を確立する上で、重要な一端を担うことになったのです。その姿は、当時の批評家をして「ナンシーで日本人として生まれた運命のいたずらを、祝福してあげようではないか。」と言わしめるほどでした。
本展では、ガレにみられるジャポニスムの変遷を、国内外のガレ作品他、約140件の作品で紹介する試みです。また、サントリー美術館の展覧会に関連するグラフィックや展示空間は、アートディレクター葛西薫氏が監修しました。30年にわたるガレの名品を見ることによって、ものの真髄を赤裸々なまでに表現する、ガレ芸術の醍醐味を存分にご堪能ください。
関連イベントにの詳細はイベントウェブサイトにてご確認ください。
[画像: 脚付杯 「蜻蛉」(1903-04) サントリー美術館蔵]
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