Kaikai Kiki Galleryアーティスト
Tony、KEI、大槍 葦人、村上隆 他
「智・感・情」は、よく知られた明治時代の洋画家・黒田清輝の名作です。国内では裸体画として物議をかもしながらも、1900年に開催されたパリ万博では銀賞を受賞しました。日本人女性をモデルにした最初の油彩の裸婦作品ですが、当時としての理想的な体型を追求した「最先端の女性像」であり、日本の伝統的な金地の背景に、西洋絵画的な極めて写実的な描写で人体のみを配し、さらに明確な輪郭線を用いた絵作りは、そのモチーフとともに、非常に挑戦的なものでした。
この作品を100年以上の時を経て、村上隆が現代美術として蘇らせました。まずは、オリジナルの黒田清輝の模写作品を制作しました。そして、3名の絵師をオタクイラストレーション界より招聘し、コラボレーションした作品は、黒田清輝版と同じサイズ、同じポーズが踏襲され、それだけに、現代の美意識や女性観、そして、村上隆の追求する日本の今の美意識の総体が浮かび上がるものとなっています。
本シリーズは今月6月27日からロンドンのガゴシアンギャラリーで開催される村上隆の個展に新作として登場しますが、その前に2日のみ、日本の皆様にも見ていただきたく、プライベートなお披露目を行うことにしました。
[画像: Tony 「黒田清輝へのオマージュ。智・感・情」]