EUKARYOTE(ユーカリオ)本展は、ギャラリーの内装工事と並行して開催される展覧会であり、神宮前のビル一棟の1階から3階までの3フロア及び屋上にて、建造と制作の原材料の “循環” を主題としたインスタレーション作品が発表されます。
「そこは粉塵で視界が全く無い深い人工の洞窟の中。その洞窟の正確な寸法は覚えていない。(中略) 洞窟の上部には巨大なミキサーがある。産業廃棄物処理認定を受けたトラックが廃木材をそのミキサーに投げ込む。ミキサーで粉砕された木のチップはパーチクルボードの材料になるらしい。」(秋山佑太「展覧会ステートメント」より)
建築の内装工を20年にわたって生業とする秋山佑太の個人的体験に端を発する本展のテーマは、新ギャラリーの所在地である神宮前に近接する新国立競技場の建設へと紐付かれ、美術と建築の領域を重ねることで、実生活で感じる意味がより大きな存在の一部となる状況が生み出されます。
「いま施工中の工事現場まで千駄ヶ谷駅から歩いている。目の前には新国立競技場の建設が急ピッチで進んでいる。もう後戻り出来ない状況から、開催への道を推し進める祭典への高揚する気持ちが湧き上がる。モニュメンタルな建造物は完成の瞬間にオーガズムに達するのではない、建設中こそ最も興奮する。」(秋山佑太「展覧会ステートメント」より)
EUKARYOTEの前身となるセゾンアートギャラリーにて、秋山佑太は、”建築/土木/震災/オリンピック” をテーマに都市の豊かな仮設を試みる「ground under」展を企画。カタルシスの岸辺は、映像素材を量り売りする実験的屋台の出店や、プレイヤーが現代美術作家となりオブジェクトを制作するボードゲームの試遊イベントを開催しています。オルタナティブなアートシーンを象徴する気鋭作家がギャラリー準備期間に開催する実験的試みを是非ご高覧ください。