DIC川村記念美術館アーティスト
パブロ・ピカソ、ジャコモ・バッラ、ウィレム・デ・クーニング、菊畑茂久馬、ピエロ・マンゾーニ 他
画家が彫刻を作る、とは特別なことでしょうか?歴史を遡れば、ルネッサンス期には有名なレオナルド・ダ・ヴィンチやその師のアンドレア・デル・ヴェロッキオら、多くの「画家であり、彫刻家でもある芸術家」たちの名前が、『芸術家列伝』(ジョルジョ・ヴァザーリ著)に記されています。とはいえ、その後は分業化が進みます。彫刻家が常にデッサンをし、時に絵や版画を残したのに比べると、画家が彫刻を本格的に制作した例は大変少なくなります。近代になると、印象派の幾人かの画家たちがすぐれた彫刻を制作したことは知られています。エドガー・ドガ、オーギュスト・ルノワール、そして同時代のオノレ・ドーミエらが熱心に彫刻を制作しています。彼らは自分の絵の中にいる人物たちを立体にして現したのでした。ポール・ゴーギャンもタヒチの民芸品に学んだ注目すべき彫刻を制作しました。そして20世紀、前衛画家たちは、絵の中で行いつつある様々な造形の実験を、3D化しようと試み始めます。自由に描きだせる絵の世界から踏み出して、重力ある空間のなか、材料を選び、筆を道具に持ち替えて、画家はなぜ彫刻を作るのか。それらは彼らの絵とどのような関係を結んでいるのか。それらは単なる素人の彫刻なのか、それとも?
本展では描くなかから生み出された、20世紀前衛画家たちの彫刻制作の一端をご覧いただきます。画家の絵と彫刻を並べて見るとき、彼らの意図が伝わってくるはずです。
※会期中に展示替えがあり
[関連イベント]
1. トークイベント「画家だから、木枠を踏み出す、踏みこえる」
日時: 10月12日(土)【要予約】
ゲスト: 小林正人(画家)×奈良美智(画家・彫刻家)
料金: 入館料のみ
2. トークイベント「写す、そして現れるー空間のなかへ」
日時: 11月16日(土)【要予約】
ゲスト: 長島有里枝(写真家・作家)× 石田尚志(画家・映像作家)
料金: 入館料のみ
3. ミュージアムコンサート
日時: 10月26日(土) 18:00開場 / 18:15開演【要予約】
ゲスト: 蓮沼執太(音楽家、アーティスト)
※関連イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。