東京国立近代美術館・70周年をふりかえる 同時代の展望と収集
今年の12月に当館が迎える開館70周年を記念して、コレクションによって美術館の歩みをふりかえります。2つの展示室を用いて、当館が1950年代から80年代にかけて、同時代の美術とどのように並走し、展覧会と収集をどのように関連づけてきたかをご紹介する小特集です。
「近代」の名を冠する当館ですが、いわゆる「現代」の作品も随時紹介し、収集しています。若手画家の登竜門となった安井賞展(1957-97年)の初期の受賞作や、戦後に海外で活躍するようになる作家たちに目を向けた「在外日本作家展」(1965年)、1969年に当館が京橋から竹橋に移転した際の開館記念展「現代世界美術展 東と西の対話」、そして1984年から始まる「現代美術への視点」シリーズの第1回にあたる「メタファーとシンボル展」などの展覧会を機に収集された作品約30点によって、戦後美術の多様な展開をたどります。
・ぽえむの言い分
今回3つの部屋を使って、当館のコレクションから詩にまつわる約40点の作品をご覧いただきます。「ポエム」というと、今日では自己陶酔的で無根拠な言葉を揶揄するために使われているのをしばしば目にします。「詩は絵のように、絵は詩のように」とは古代ローマの詩人ホラティウスに基づく格言ですが、その言葉に従うなら、詩の不遇はいずれ美術の不遇につながらないとも限りません。高村光太郎のように美術作品を手掛ける者が同時に詩人であり、あるいは19世紀フランスのシャルル・ボードレールや日本の瀧口修造のように、詩人が美術評論を書くことは珍しくありませんでした。詩は美術にとって長らく同胞であり、憧れであり、着想源となってきました。ある仕組みのもとで色や形をかけ合わせることで、リズムを生み出したり、未知の何かを表したり、まだ誰も気がついていないことを解き明かそうとしたり。美術家たちが「詩」に託した複雑な力に思いをはせていただければ幸いです。
・ゲルハルト・リヒター 当館所蔵の全作品展示
1階企画展ギャラリーで開催の「ゲルハルト・リヒター展」(2022年6月7日─10月2日)にあわせて、MOMAT コレクションに含まれる所蔵の全リヒター作品を展示します。ゲルハルト・リヒター《抽象絵画(赤)》1994年、《シルス・マリア》2003年(寄託作品)、《STRIP (923-33)》2012年、《9つのオブジェ》1969年を所蔵品ギャラリー2階11室にてまとめて展示します。
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