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「UNZEN -『平成の島原大変』: 砂守勝巳と満行豊人をめぐって - 」

多摩美術大学 八王子キャンパス
終了しました

アーティスト

砂守勝巳、満行豊人
自然災害と芸術表現は、ともすると、これまであまり関係のないものと考えられてきた。けれども、遥か過去へと時を遡るなら、人類が自然との対峙によってつねに命の危機に晒されてきたのは明らかだ。きっと、数えきれぬほどの人が命を落としたことだろう。そんな時、突然この世を去った人たちへの慰霊や、残された者が必要とするささやかな希望として、人類は当初から、なんらかの「表現」を必要としたのではないだろうか。とするなら、自然災害と芸術表現は、根幹の部分では切り離し難く連動しているはずだ。
今日、地球規模での気候変動が年を追うごとに熾烈となり、世界の各地で例を見ない災害が相次いでいる。遠い過去の「神話」や「伝説」として受け取っていた自然との命がけの対峙は、実際には明日にもわが身へと降りかかりかねない迫真的なものとなった。こうして少し振り返っただけでも、20世紀が世界大戦の時代であったとするなら、21世紀が刻々と災害の世紀となりつつあるのが伺える。日本でも昭和から平成へと元号が切り替わると、列島の各地で大規模な自然災害が多発するようになった。そのうち、阪神淡路大震災と東日本大震災は、とりわけ大きな意味を持つ。それは令和になって突如として人類を襲ったパンデミックによって、依然として大きく変わる気配はない。
だが、これらに先駆けて、1991年に江戸時代の寛政年間以来となる大火砕流を起こした長崎県島原半島の火山、雲仙・普賢岳による数年にも及ぶ複合的な被害は、その後の「災害の世紀」の到来を先取りするところが多々あった。「寛政の島原大変」と呼ばれたかつての「大変」に対し、本展ではこの「平成の島原大変」に焦点を当て、これと取り組んだ二人の表現者 - 砂守勝巳と満行豊人 - が残した写真と絵画の展示を中心に据える。そして、ここに歴史・地理・地学の知見を添え、記憶の継承や防災的側面も併せて盛り込み、「UNZEN」と総称し、芸術人類学的な見地から、美術大学がなしうる「美術展」というかたちで、「災害と表現」という新たな次元へと迫ってみたい。
会場: アートテーク・ギャラリー2F

[関連イベント]
1. 朗読「雲仙・普賢岳噴火災害によせる朗読二題」 動画配信
日時: 6月10日(金)より配信予定
朗読: 内嶋善之助
2. シンポジウム「表現と記録、記憶の継承 UNZENからはじめる」
日時: 6月17日(金)14:50〜16:30
会場: 多摩美術大学 レクチャーCホール
登壇者: 岡村幸宣、笹岡啓子、椹木野衣、砂守かずら
定員: 80名(先着順)
※詳細は公式ホームページよりご確認ください。

スケジュール

2022年6月3日(金)〜2022年6月18日(土)

開館情報

休館日
イベントにより異なる
備考
展示時間 10:00〜17:00、日曜日は休館
入場料無料
展覧会URLhttps://www2.tamabi.ac.jp/iaa/unzen_iaa_exhibition/
会場多摩美術大学 八王子キャンパス
https://www.tamabi.ac.jp/index_j.htm
住所〒192-0394 東京都八王子市鑓水2-1723
アクセスJR横浜線・京王相模原線橋本駅北口より神奈川中央交通バス(多摩美術大学行き)「多摩美術大学」下車徒歩1分
電話番号042-676-8611
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