ART AND SPACE GALLERYアーティスト
岡田昌也、鈴木博雄、MAYA NOGAMI
古来、猫は神聖性や象徴性を帯びた存在として視覚化され、近代以降は家庭空間における「親密な他者」として存在してきました。日本においても、猫は文学や美術の中で重要な主題として扱われています。夏目漱石が猫を通して近代日本の人間社会や価値観を相対化し、歌川国芳が戯画的表現の中で猫を擬人化して庶民文化や時代性を批評したように、日本の作品において猫は人間社会を映し出す存在として、多様な意味を与えられてきました。
本展「CAT AS MEDIUM」は、こうした歴史的変遷を踏まえ、猫を単なる「かわいいイメージの消費対象」としてではなく、人間社会の構造や価値観を可視化する媒介(MEDIUM)として位置づけし直す試みです。本ギャラリーの母体である株式会社AND SPACEがプロデュースする「SCAT WORKS(保護猫カフェ×コワーキングスペース)」における実践は、猫が居場所や役割を伴いながら社会と接続されていく具体的な事例といえます。本展はこのSCAT WORKSの運営会社であるWAKASUGIをメインスポンサーとし、保護、労働、居場所といった文脈の中で、猫がすでに人間社会の周縁ではなく、その内部で機能し始めている現状をアートの文脈へと拡張します。メインキュレーターの谷川ではなく、所属スタッフである高棹が初のキュレーションを行い、「猫の社会進出」という仮説のもと、人間・動物・空間の関係性を再編成する表現を検証し、創作と実践が交差する地点を浮かび上がらせます。猫という存在を通じて、私たちの社会がどのように規定され、変容しうるのか。作家それぞれの解釈と表現によって、この問いを多角的に提示します。
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