アーティスト
國廣沙織、岡淵静、Kofu Hijikata、坂巻裕一、曽田浩隆、目時白珠
「書字」は、言葉に表すことができる意味を、媒体をとおして文字に留める行為です。書かれた言葉は、他者や、書き手自らによって後から読み返されるだけでなく、数千年前の異国の人々が残した言葉を翻訳を通して読むことすら可能にします。それがレシートや公的な記録であれ、落書きや日記などの私的なものであれ、「書字」は常に過去から未来に向けて、他者に、そして自分自身にも言葉を運んでいるのです。
しかし、そうした言葉を運ぶ力は今日では新たな様相を呈し、ネット上では他者を殺す言葉が溢れかえっています。それに対する抵抗の言葉、生きるための言葉も存在します。その双方の土台にあるのが「書字のコード」です。「コード」は、単なる言語の文法や書体のルールだけでなく、社会的な力学や制度、権力性が文字をとおして顕現したものです。
本展において私たちは、書かれた言葉の意味内容と、それを媒体上に立ち現れさせる、書くという行為そのもの――道具や素材、手法、身体性や計画性といった心身の営み――との間に生まれる緊張関係に着目します。「なぜ書くのか?」という根源的な問いを起点に、各々の方法論をもって、私たちを縛り、また自由にもする「書字のコード」と向き合います。
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