石川県立美術館「榛原-はいばら-」は、1806(文化3)年の創業から220年にわたって東京・日本橋に店舗を構える和紙舗です。高度な木版摺りの技術とデザイン性を兼ね備えた和紙製品は、時代を通じて、人々のくらしに上質な《美》を届けてきました。榛原の当主たちは代々、同時代の芸術家たちに商品のデザインを依頼し、ときにその活動を支援しました。特に明治期前半に活躍した三代目・榛原直次郎(中村平三郎)は、日本美術界と深いつながりをもち、柴田是真(1807-1891)や河鍋暁斎(1831-1889)、川端玉章(1842-1913)らと親しく交流を結びました。続く四代目・榛原直次郎(中村真太郎)も竹久夢二(1884-1934)や川瀬巴水(1883-1957)らと協働し、現代に続く洗練されたデザインを次々と生み出しながら榛原デザインの基礎を築きました。
本展では、榛原と芸術家たちとの関わりに焦点を当て、おもに明治から昭和初期にかけて製作された千代紙、団扇絵、絵短冊、絵封筒、ぽち袋、熨斗(のし)など和紙製品の数々を紹介します。また、芸術家たちによる肉筆の画稿や榛原ゆかりの貴重な資料などあわせて500点を超える作品を公開いたします。粋(すい)と技(わざ)を極めた榛原の豊かなコレクションをお楽しみください。
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