アーティスト
田部光子、牛島智子、志賀理江子、金川晋吾、谷澤紗和子、飯山由貴、笹岡由梨子
美術家・田部光子(1933-2024)は1961年に記した「プラカードの為に」と題した文章において、「大衆のエネルギーを受け止められるだけのプラカードを作」り、その「たった一枚のプラカードの誕生によって」社会を変える可能性を語りました。過酷な現実や社会に対する抵抗の意思や行為、そしてそのなかに田部が見出した希望は、同年発表された作品《プラカード》に結実します。この文章は、作品が生まれるまでの思考の過程を語ったものであると同時に、社会の動きを意識し活動するひとりの美術家の宣言としても読むことができます。「たった一枚のプラカード」とは、行き場のない声をすくいあげ、解放の出発点となるような、生きた表現の象徴でもあるのです。
田部の言葉と作品を出発点とする本展覧会は、それぞれの生活に根ざしながら、生きることと尊厳について考察してきた、田部を含む7 名の作家の作品で構成します。作家たちは、これまで社会の中で覆い隠されてきた経験や心情に目を凝らし、思考し、そして自ら実践することで、既存の制度や構造に問いを投げかけます。彼女・彼らの作品を通じて、私たちを取り巻く社会やその歴史を見つめ直し、抵抗の方法を探りながら、表現することの意味にも立ち返ります。
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